2021 Fiscal Year Research-status Report
レドックス制御に基づいた急性骨髄性白血病の治療応用
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21K08432
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation at Kobe |
Principal Investigator |
山嵜 博未 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(上席・主任研究員クラス) (20720915)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セレノプロテイン / 酸化ストレス / レドックス / 急性骨髄性白血病 / MLL-AF9 / GPX4 / フェロトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
システインの硫黄が微量元素セレンに置換したアミノ酸であるセレノシステインは、「21番目のアミノ酸」として抗酸化酵素群を中心とするセレノプロテイン合成に利用される。セレノプロテインは、セレンの高い反応性を利用して、酸化ストレスの原因となる活性酸素種を消去することで抗酸化機能を発揮する。セレノプロテイン群のうち最も重要とされるGPX4 は抗酸化物質である還元型グルタチオンを用いて、細胞毒性の高い過酸化脂質を還元・無毒化しフェロトーシスを阻害することが知られている。しかし、酸化ストレスにさらされる造血幹細胞におけるフェロトーシスの意義についてはほとんど解明されていない。本研究では、急性骨髄性白血病細胞が、セレノプロテイン合成系に依存しているという予備的実験結果に基づき、セレノプロテイン合成およびフェロトーシスの視点から造血器腫瘍の新規治療戦略となる基礎的データの集積を目指し本研究を実施した。 セレノプロテイン合成に必須であるTrsp遺伝子を欠失した場合、白血病細胞株において著しい増殖の低下/細胞死の増加を示し、白血病細胞の生存にTrspが必須であることを示した。次に正常造血における役割を検討するために造血細胞特異的Trsp欠失マウスの詳細な解析を行った。欠失確認後、速やかに大球性貧血、脾臓における代償性造血、競合移植実験におけるキメリズムの低下などを認め、正常造血においてもTrspが重要な役割を担っていることが示唆された。実際に、Trspを欠失した造血幹細胞由来のコロニー形成能は好気性環境下で完全に抑制されており、脂質過酸化が亢進していること、フェロトーシス阻害剤によりレスキューされることからフェロトーシスによるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画全体としては順調に進んでいる。マウスの作成・交配が順調に進み、Trspの正常造血における役割について詳細に解析することができた。正常な造血幹前駆細胞を用いたシングルセルRNA-seqの実施に至り、現在セレノプロテイン欠失が幹細胞の遺伝子発現プロファイルに与える影響を解析中である。しかしながらMLL-AF9白血病モデルにおけるTrspの役割についてはモデルの作成に時間を要し、2022年度の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
全セレノプロテインの阻害は正常・腫瘍性造血双方を阻害するため、治療応用に発展させるためには、両者のフェロトーシス感受性の違いや、GPX4に代表される個別のセレノプロテインの役割について今後生体モデルを用いて検討し、白血病細胞特異的なフェロトーシスの誘導を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Inducible Systemic Gcn1 Deletion in Mice Leads to Transient Body Weight Loss upon Tamoxifen Treatment Associated with Decrease of Fat and Liver Glycogen Storage.2022
Author(s)
Liu J, Kasai S, Tatara Y, Yamazaki H, Mimura J, Mizuno S, Sugiyama F, Takahashi S, Sato T, Ozaki T, Tanji K, Wakabayashi K, Maeda H, Mizukami H, Shinkai Y, Kumagai Y, Tomita H, Itoh K.
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Journal Title
Int J Mol Sci.
Volume: 23(6)
Pages: 3201
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Minor intron retention drives clonal hematopoietic disorders and diverse cancer predisposition.2021
Author(s)
Inoue D, Polaski JT, Taylor J, Castel P, Chen S, Kobayashi S, Hogg SJ, Hayashi Y, Pineda JMB, El Marabti E, Erickson C, Knorr K, Fukumoto M, Yamazaki H, Tanaka A, Fukui C, Lu SX, Durham BH, Liu B, Wang E, Mehta S, Zakheim D, Garippa R, Penson A, Chew GL, McCormick F, Bradley RK, Abdel-Wahab O.
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Journal Title
Nat Genet.
Volume: 53(5)
Pages: 707-718
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research