2022 Fiscal Year Research-status Report
罹患組織の単細胞RNAシーケンス解析を起点としたIgG4関連疾患の病態の解明
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21K08436
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池田 啓 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10456014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 有史 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (90436353)
中島 裕史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00322024)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 単細胞RNAシークエンス / 顎下腺 / コラーゲン / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患(IgG4-RD)患者3例ならびに非自己免疫性疾患(コントロール)患者3例の顎下腺の生検検体を採取し、血球系細胞(CD45+) および非血球系細胞 (CD45-) を、フローサイトメトリーを用いて単離、また同症例の末梢血単核球(PBMC)を分離し、それぞれscRNA-seq解析 (10x Genomics) を実施した。 顎下腺検体において、IgG4-RD1例は検体不良により除外、コントロール1例は病理組織上炎症所見を認め不適切症例と考え除外、それぞれ2例ずつの検体を比較解析した。その結果、IgG4-RD群で特定の血球系細胞群が増加していた。また、IgG4-RDでは線維芽細胞における特定のタイプのコラーゲン遺伝子の発現が上昇していることが分かり、組織の免疫染色においても当該のコラーゲン蛋白の発現上昇が確認された。さらにIngenuity Pathway Analysis (IPA)により、その2つの現象の関連を示す仮説が立てられた。仮説検証のため、免疫染色、細胞株を用いた解析を実施中である。 上記患者とは別に、治療開始あるいは治療強化前のIgG4-RD患者10例を前向きコホートに組み入れ、臨床情報と血球・血清検体を収集した。またコントロール群として未治療シェーグレン症候群2例、健常者2例の血球・血清検体を保存し、バイオマーカー解析の準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナパンデミックにより、耳鼻咽喉科外来における生検が一時期停止したため、起点となるscRNAseq用生検検体の準備が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫染色、細胞株を用いた解析により、前述の仮説の検証を急ぐ。マウスでの検討は行わない。PBMCのscRNAseqの解析結果と併せてバイオマーカー候補の選出を行い、集積中の前向き治療コホート、コントロール症例の検体で検証を行う。
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Causes of Carryover |
マウス実験を中止したため、次年度使用額が生じた。免疫染色、in vitroの解析、追加のバイオマーカー測定で使用予定である。
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