2021 Fiscal Year Research-status Report
関節液由来線維芽細胞の免疫表現型解析による関節リウマチの病態解明への挑戦
Project/Area Number |
21K08448
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
若林 邦伸 昭和大学, 医学部, 講師 (80595596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 健男 昭和大学, 薬学部, 教授 (00439358)
矢嶋 宣幸 昭和大学, 医学部, 准教授 (70384360)
西見 慎一郎 昭和大学, 医学部, 助教 (70834000)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 関節液 / 線維芽細胞 / 滑膜線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチにおける滑膜線維芽細胞は、関節局所における炎症の増幅や関節破壊に重要な役割を担っており、新たな治療標的として注目されている。 これまで申請者は、関節リウマチの関節液中の接着細胞からポドプラニン陽性線維芽細胞を培養し、滑膜組織から分離された線維芽細胞と同様のサブセット分類が存在することを明らかにしてきた。さらに構成するサブセットの割合が再燃群と初発群で異なることから、構成するサブセットの違いと患者の臨床像に関係があることを明らかにしてきている。このような線維芽細胞サブセットの調節機構や、治療反応性との関係を明らかにできれば、個々の患者に応じた適切な診断や治療薬の選択につながることが期待される。 2021年度は、患者検体を増やし、フローサイトメトリー解析により関節液由来の線維芽細胞を構成するサブセットの検討を進めた。初代培養における2つの主要なサブセットを同定し、再燃群と初発群でそのサブセットの割合が異なることが示された。さらに治療前後の初代培養におけるポドプラニン陽性細胞の割合を確認したところ、治療後に有意に低下することが示された。次に継代培養による構成する線維芽細胞の変化を解析した。ポドプラニン陽性細胞の割合は継代により増加することが示された。さらに、継代により増加するサブセットと減少するサブセットを同定することができた。少数ではあるが、関節液と滑膜組織を同一患者から採取し、初代培養における関節液由来および滑膜由来の線維芽細胞を構成するサブセットを比較したところ、個々の患者で類似していることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者検体が十分に集められていないため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、引き続き患者検体を増やし、フローサイトメトリー解析により関節液由来線維芽細胞を構成するサブセットの検討を進める。 これまでの検討から、初代培養において、構成するサブセットに再燃群と初発群で違いがあることがわかっている。そこで、採取時の関節液中のサイトカン・ケモカイン、血管新生因子や増殖因子、プロテアーゼの発現をELISA法で測定し、各タンパク質濃度と関節液由来線維芽細胞を構成するサブセットとの関係を統計学的に解析する。この研究により関節液由来線維芽細胞を構成するサブセットと関係性のあるタンパク質を同定することが期待できる。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画どおり、患者検体数を増やしたフローサイトメトリー解析が進まなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額を使用しフローサイトメトリー解析を進める計画である。
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