2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K08454
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木村 直樹 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (00736184)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | TREC/KREC / リンパ球サブセット / 膠原病患者 / 免疫抑制療法 / 重症感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に新たに40例程度の患者を登録し、TREC/KREC値などの測定、解析を行った。 これまでの解析から、免疫抑制療法開始前のTREC値は年齢と逆相関すること、またリンパ球サブセットとの関連を調べるとrecent thymic emigrants、ナイーブCD4陽性T細胞、ナイーブCD8陽性T細胞の割合と相関すること、CD8陽性terminally differentiated effector memory T cells re-expressing CD45RA (TEMRA)の割合と逆相関することが明らかとなった。また免疫抑制療法開始前のKREC値は、switched memory B細胞の割合と逆相関した。 免疫抑制療法開始後はTREC/KREC値とも低下を認めたが、感度以下となることはなかった。経過フォロー中に5例の重症感染症の発症を認め、それらの免疫抑制療法開始前のTREC/KREC値は、非発症例と比較し、低い傾向が見られた。 研究全体を通じて、成人におけるTREC/KREC測定に適したアッセイ系を確立し、膠原病患者におけるTREC/KREC値と、免疫抑制療法によるTREC/KREC値の変動、感染症発症との関連を観察評価することができた。データ採取ならびに解析は途上にあり、今後、免疫抑制療法の種類によるTREC/KREC値の変動の相違、感染症発症予測への有用性、原発性免疫不全症(PID)例のデータとの突合により、成人におけるPIDの拾い上げへの有用性が検証可能になることが期待される。
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