2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the pathophysiology of systemic sclerosis targeting abnormal sodium metabolism
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21K08462
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
峯岸 薫 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (40616877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 秀明 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30217723)
桐野 洋平 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50468154)
吉見 竜介 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70585265)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 全身性強皮症 / ナトリウム代謝 / Na-MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内のNa+調節は、これまで腎臓のみで行われていると考えられてきたが、近年、Na+が皮膚、肝臓、筋肉など多臓器と連携して制御されていることが明らかとなり、Na+代謝異常は様々な疾患をもたらすことが判明した。 全身性強皮症患者では、皮膚Na+量と皮膚硬化の重症度が相関すること、皮膚に蓄積されたNa+は皮膚硬化進行の予測因子となることが明らかにされている。全身性強皮症の皮膚硬化は浮腫期、硬化期、萎縮期という経過をとるが、局所の電解質動態は検証されていない。そこで、「組織Na+蓄積」に着目して、全身性強皮症の病態を全く新しい視点から解明することを目指し23Na-MRIを用いた評価を行う。 医療用MRIは生体を主に構成する1H原子を画像化しており、臨床で使用しているMRI装置では23Na原子は検出できない。23Na-MRIは、23NaがNa原子の中で唯一の安定同位体で、23Naの陽子数が奇数、中性子数が偶数であり、磁気モーメントが生じることを利用して組織Na+を可視化できる技術であり、造影剤を用いずに生体内Na+の検出が可能である。我々は、昨年度、3.0テスラのMRI(MAGNETOM Skyra, Siemens)に、Na+量を測定できる特注コイル(Stark-Contrast, Erlangen, Germany)を搭載し、NaCl入りのファントムを用いて装置の設定を行い、23Na-MRIの日本初導入に成功した。本年度は、健常人の左下腿で、テストスキャンで設定した撮影条件を用いて、23Na-MRIの撮影を実施した。この撮影においては、濃度の異なるNaCl溶液(10, 20, 30, and 40 mmol/L)を満たしたキャリブレーションチューブを同時に撮影することで、組織Na+量を測定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23Na-MRIの導入ができたが、COVID-19感染の影響を受け、臨床研究の実施が困難であり、遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在倫理委員会の申請を行っており、23Na-MRIの撮影を健常コントロールだけでなく、全身性強皮症患者でも実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
23Na-MRIを用いた臨床研究のセットアップは完了したが、COVID-19感染対策により、患者での撮影が遅延し、臨床研究で使用する予定であった消耗品などの費用の繰越しが生じた。
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