2022 Fiscal Year Research-status Report
Prognostic prediction of Behcet disease based on clinical clustering factors
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21K08467
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岳野 光洋 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50236494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐野 洋平 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50468154)
黒沢 美智子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70245702)
水木 信久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90336579)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ベーチェット病 / 臨床クラスター / HLA-B51 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベーチェット病(B病)の臨床像は多様であり、申請者らはこれまで本邦のB病患者が臨床症状の発現パターン、発症年齢、性別、HLA-B51の有無によりいくつかの亜群に分類されると考えられる。本年度は多施設自験例コホートのB病患者(657例)を臨床症状(口内炎・皮膚病変・眼病変・陰部潰瘍・関節炎・腸管病変・血管病変・神経病変)を変数として,ユークリッド平方距離を利用したWard法による階層的クラスター分析をおこなった.その結果、1 皮膚粘膜主体、2 皮膚粘膜+関節病変、3 腸管病変主体、4 眼病変主体型、5 神経病変主体の5亜群に分類される。亜群1、2は皮膚粘膜病変を主体にした軽症型で女性に多く、トルコの報告にあるacne-arthritis-enthesitis clusterに対応する。亜群4,5はB病の古典的重症型で、男性に多い。亜群3は腸管病変が主体で、眼病変が少なく、HLA-B*51陽性率も33%と低い(他の亜群はほぼ50%)のが特徴であった。厚生労働省の特定疾患臨床調査個人票を用いた6754例の解析でもほぼ同様の亜群に分類された。さらに、患者対象を1990年以前、1990-2010年、2010年以降の発症年代に分けて、亜群構成比率を解析した結果、亜群3の増加が顕著であった。この変化は腸管病変の増加、HLA-B*51陽性率の低下など、近年の日本の疫学の変遷をよく説明しうる。また、発症時あるいは登録時、腸管病変を持たない患者を対象に解析した結果、腸管病変主体亜群の随伴因子である「眼病変なし」、「関節症状あり」、「HLA-B51陰性」が複数存在するとその後の腸管病変発症リスクは有意に高くなることを見出した。 現在、AMED研究, 厚労科研研究と連携し、全国レベルのレジストリ研究を推進し、上記知見を検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多施設自験例コホートのB病患者657例および厚生労働省の特定疾患臨床調査個人票を用いた6754例の解析はほぼ予定通りであり、仮設に近い結果が検証できた。しかし、次のステップである全国レジストリ症例を用いた臨床遺伝的統合解析はレジストリの倫理審査の遅延もあり、患者登録が十分進んでいない。最終的な研究ゴールは全く別であるが、患者情報源を共有するAMED研究, 厚労科研研究などと連携し、大規模データで検証予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
国レジストリ登録を進めることが先決で、これまでの臨床クラスターの知見を検証することが第一歩である。症例数がある程度確保できたところで、遺伝子解析を行い、臨床情報と合わせた統合的解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遅延のため、支出予定を下回ったが、2023年度研究に充てる予定である。
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[Book] 内科学 第12版2022
Author(s)
岳野光洋(ベーチェット病) 矢崎義雄編
Total Pages
2572
Publisher
朝倉書店
ISBN
9784254322804
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