2021 Fiscal Year Research-status Report
The role of regulatory T cells in tolerance to food allergy.
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21K08468
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
為広 紀正 国立医薬品食品衛生研究所, 生化学部, 協力研究員 (80597881)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
先進国における食物アレルギーの増加は深刻な社会的問題であり、世界規模でその関心を高めている。食物アレルギーは、食品中に含まれるアレルギーの原因となる物質“アレルゲン”に対する免疫応答によって、生体に不利益な症状が惹起される現象と定義される。食物アレルギー患者では、原因食品の摂取により体内のマスト細胞や好塩基球がアレルゲンを認識して炎症性メディエイターを放出し、消化管などにアレルギー症状が現れる。しかし最近の研究では、消化管を介したアレルゲンの摂取は免疫寛容を誘導し、食物アレルギーの抑制に効果的であることが示されている。この免疫寛容の獲得には制御性T細胞が中心的な役割を担っている。しかし、制御性T細胞のどのような抑制応答が食物アレルギーを予防しているかについては不明な点も多い。そこで本研究では、食物アレルギーの発症における制御性T細胞の役割について、我々が開発した食物アレルギーモデルマウスを用い解析を実施する。本年度は、食物アレルギーモデルマウスの制御性T細胞における遺伝子発現の変化について、RNA-Seq解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単一細胞における遺伝子発現解析は予算の理由により解析を実施する事ができなかったが、その代わりにバルクでの食物アレルギーモデルマウスの遺伝子発現解析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
食物アレルギーモデルマウスの遺伝子発現解析では、大きな発現の変動は認められず、標的候補の解析を実施する。また、制御性T細胞におけるエピジェネティックな影響を検討するため、ATAC-Seq解析を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ等により試薬の輸入が影響を受けており、必要な試薬を入手する事が出来なかった。来年度以降の実験を充実させるため、次年度以降に合わせて使用する。
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