2022 Fiscal Year Research-status Report
The novel anti-inflammatory drug development complementing with glucocorticoid
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21K08472
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
細矢 匡 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60737104)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NF-κB阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では申請者が先行研究で実施したスクリーニングにて見出した、NF-κBを抑制するリード化合物群をもとに、炎症性疾患の動物モデルを用い、発症予防の検討を行うとともに、リード化合物からの新規化合物の合成、ターゲット分子の同定、作用メカニズム解明を目指す。 2022年度は一つのリード化合物に注力して、さらなる動物モデルでの実験をすすめた。具体的には肝障害によって死亡する急性炎症モデルを用いてリード化合物の作用を検討したところ、TNFαの産生抑制と生存期間の延長を得ることができた。また、発症メカニズムの異なる二つの関節炎モデルを用いてリード化合物の作用を評価した。それぞれ、獲得免疫依存性・自然免疫依存性の関節炎を生じるが、興味深いことにリード化合物はいずれの関節炎にも有効であった。関節炎程度を軽減したほか、骨破壊、軟骨破壊を抑制し、炎症細胞浸潤も抑制していた。また、獲得免疫依存性関節炎モデルでは、リード化合物投与マウスに由来する免疫細胞では、抗原に反応して産生されるインターフェロンγの産生が抑制されていた。今後、リード化合物が標的としている細胞の同定を進めるとともに、ImmunoblotでNF-κB pathwayに関連する分子を評価することで化合物のNF-κBの抑制作用メカニズムの解析を進めていく。 また、東京医科歯科大学生体材料工学研究所と行っていた共同研究では、リード化合物からより有効性の高い誘導体の合成を試みていた。培養滑膜線維芽細胞株を用いてサイトカイン・ケモカイン産生抑制能を検討したが、Structure activity relationship(SAR)解析を行って作成した誘導体も含めて、これまでのところリード化合物が最も薬効が高いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特記すべきことなし。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で扱う化合物のうち、最も有望な結果を収めたのはHTSで見出したリード化合物のひとつであった。生物学的には複数の炎症モデルでの有効性を証明できたため、一定の成果を得ることができた。今後標的細胞や、作用メカニズムをより詳細に解明していく。 また、SAR解析によるリード化合物の合成展開を行ったが、もともとのスクリーニング候補の中でも、とても大きな化合物グループとして存在していたため、想定していたよりもSAR展開できる方向が限定的であった。そのため、さらなる新規化合物の開発は以降の研究では断念する。
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Causes of Carryover |
次年度に繰り越してまとめて使用するための残額である。
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Research Products
(6 results)