2023 Fiscal Year Research-status Report
抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎/急速進行性間質性肺炎の病態解明および新規治療法の開発
Project/Area Number |
21K08481
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 慎二 東海大学, 医学部, 教授 (90276238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 教授 (30246079)
細野 祐司 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (60868090)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 抗MDA5抗体 / 皮膚筋炎 / 間質性肺疾患 / 体外式膜型人工肺 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎(DM)に併発した急速進行性間質性肺炎(RP-ILD)を含むILD治療における体外式膜型人工肺(ECMO)導入に関する検討.【方法】2023年まで当科を受診したILD併発抗MDA5抗体陽性DM患者53症例の中でECMOを導入した症例を対象とし,臨床経過,治療法,予後について検討した.【結果】治療経過でECMOが導入されたのは2症例であった.[症例1] 58歳男性.X-1年4月に発熱,多関節炎,抗CCP抗体陽性にて当科紹介受診.DMに典型的な皮疹を認めたが筋症状なく,進行性の労作時呼吸困難およびHRCTですりガラス陰影からRP-ILD併発の抗MDA5抗体陽性CADMと診断した.高用量プレドニゾロン(PSL) ,タクロリムス(TAC),シクロホスファミド間歇静注に血漿交換療法を併用したが,感染,縦隔気腫を合併し,第33病日に人工呼吸器管理,第44病日にECMOを導入したが,第88病日に喀痰吸引時に血圧低下し死亡した.[症例2] 58歳男性.10年前に健診で胸部異常陰影を指摘された.X-4年3月に労作時呼吸困難を自覚,10月に顔面紅斑が出現し当科紹介受診.DM皮疹,抗MDA5抗体陽性,筋力低下がないことからCADMと診断された.肺病変は慢性型ILDであり,PSL/TACで加療された.X-1年3月に急速な呼吸困難をきたし緊急入院となった.入院時,全肺野に浸潤影を認め,ECMOを導入して高用量PSL,抗菌薬を投与したが治療に反応せずに第14病日に血圧低下し死亡した.両症例とも病理解剖で出血,血腫があり,死亡時の急激な血圧低下から出血傾向が死因に関連した可能性が考えられた.【結論】抗MDA5抗体陽性DMに併発するILDの治療にECMOを導入する場合,出血関連合併症のリスクに注意し,早期肺移植の検討の必要性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定していた経気管支肺生検あるいは肺生検組織から凍結切片標本を作成し,免疫組織染色の手法を用いてMDA5,免疫グロブリン,補体(C3, C4)および免疫複合体の発現を検討することならびに臨床経過との関連の検討は,肺・皮膚組織の収集が達成できなかったために,解析に至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,次年度も鋭意,検体収集を努める予定である.近隣の施設に連絡をとり,臨床症状より,同疾患が疑わしい症例を紹介していただき,積極的に受け入れるよう努力する.
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Causes of Carryover |
本年度に予定していた肺,皮膚組織の収集が達成できなかったため,その検討に使用する蛋白解析および細胞分離のための試薬などに経費を使用しなかった. 今年度使用しなかった経費は,次年度に集まった検体の解析のための費用に充てる予定である.
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