2023 Fiscal Year Research-status Report
全身型若年性特発性関節炎におけるプロテアソームの役割の解明
Project/Area Number |
21K08485
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
井上 祐三朗 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (00456063)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 全身型若年性特発性関節炎 / プロテアソーム / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新たな全身型若年性特発性関節炎(sJIA)の疾患活動性マーカーの確立と病態解明を目的として、研究代表者が運営に携わっている日本小児リウマチ学会の症例集積研究「PRICURE」参加施設から集積したsJIA患者の血清を用いて、血清プロテアソーム量・活性の解析を行ってきた。研究計画時の予定としては、①MAS合併活動期、②MAS非合併活動期、③非活動期の病期において比較をおこなう予定であったが、2021―2022年度に引き続き2023年度においてもsJIA患者数が少なく、MAS合併時のサンプル収集が困難であった。 また、血清20Sプロテアソーム量の測定については、市販されているELISAキットの不良が原因と考えられる測定不良が続いているため、他社のELISAキットでの測定を行っている。また、プロテアソーム分解系を誘導するNEDD化に重要なNEDD8や、既知の疾患関連マーカーである血清中のIL-6,IL-18などの炎症性サイトカインを測定し、関連を検討している。 以上のように、研究計画時に予定していた細胞機能への影響を検討することが困難であるため、sJIAと同様にプロテオーム解析において、プロテアソーム関連タンパクの発現亢進を認めた小児リウマチ性疾患と、プロテアソーム発現量やプロテオームプロファイルの比較をおこない、プロテアソーム高発現とsJIAの病態の関連について統合解析をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、研究代表者が運営に携わっている日本小児リウマチ学会の症例集積研究「PRICURE」参加施設から集積したsJIA患者や川崎病の血清を用いるが、COVID-19流行でsJIAの患者数が著減した。その後、COVID-19が5類となり小児の感染症罹患が増えたものの、未だsJIAや川崎病などの患者数は少なく、サンプル採取が予定よりも遅れている。 また、使用しているプロテアソームELISAキットの測定不良が続いているため、他社のELISAキットへの変更を余儀なくされている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画時に予定していた細胞機能への影響を検討することが困難と考えている。 そこで当年度では、プロテアオーム高発現に関連することが想定されるプロテアソーム分解系を誘導するNEDD化に重要なNEDD8や、既知の疾患関連マーカーである血清中のIL-6,IL-18などの炎症性サイトカインを測定し、関連を検討する予定である。また、sJIAと同様にプロテオーム解析において、プロテアソーム関連タンパクの発現亢進を認めた小児リウマチ性疾患と、プロテアソーム発現量やプロテオームプロファイルの比較をおこない、パスウェイ解析・エンリッチメント解析を行い、sJIA特異的な病態の推定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19流行により,研究が予定通り進まなかった。 2024年度は、繰り越し分と合わせて使用し、研究のスピードを加速する予定である。
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