2022 Fiscal Year Research-status Report
好中球機能に着目したインフルエンザ関連細菌性肺炎の重症化機序解明
Project/Area Number |
21K08507
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小佐井 康介 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (70644433)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / 肺炎球菌 / 好中球 |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌性肺炎にインフルエンザ感染が先行した場合、重症化することが報告されている。好中球には細菌の貪食・殺菌などの機能に加え、プロテアーゼや活性酸素種の産生など細胞外の病原体に対する機能がある。本研究では、細菌性肺炎にインフルエンザ感染が先行した際の重症化における好中球の役割を検討している。昨年度は、マウス肺組織における菌数や、好中球プロテアーゼ、補体(C3)、炎症性サイトカイン(IL-6、IFN-γ)のmRNA発現量を評価した。今年度は、肺炎球菌を単独およびインフルエンザを先行感染させた後に肺炎球菌を感染させたマウスの骨髄サンプルから密度勾配遠心法により分取した好中球を用いて、DNAマイクロアレイにより遺伝子の発現を比較した。肺炎球菌単独感染群とインフルエンザを先行感染させた群との間で違いがみられた遺伝子に着目してリアルタイムPCRによる検討を進めている。また、好中球を分取する他の方法として好中球のマーカーであるLy6Gが陽性である細胞を選択的に分取する方法を用いたところ、純度の高い好中球が得られており、この方法を用いて解析を進めている。肺炎球菌単独感染群とインフルエンザを先行感染させた群の骨髄と肺において選択前のLy6G陽性細胞の割合を評価した。抗炎症作用を有し好中球の集積を抑制したと報告されている薬剤の肺炎球菌単独感染における効果を評価した。更に、インフルエンザが先行感染した肺炎球菌性肺炎の重症化に及ぼす影響について生存率や体重変化で評価を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに肺炎球菌性肺炎におけるインフルエンザ先行感染の影響について、マウスの肺組織を用いた解析や臓器から採取した好中球の解析を進めている。来年度以降、重症化機序に好中球がどのように関与しているかの解析を進められるよう計画する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、密度勾配遠心法や好中球のマーカーであるLy6Gを標的としたポジティブセレクションにより好中球を採取しその純度を確認した。また、得られた好中球における遺伝子発現の評価を進めている。来年度以降は、インフルエンザ先行感染がある肺炎球菌性肺炎のマウスから採取された好中球に特に発現が増加、あるいは低下している因子を探索し、遺伝子レベルや表現型において確認を進める。これにより重症化した病態における好中球の特徴について更に解析を進められるよう計画する。また、インフルエンザを感染させたマウスから採取した好中球に細菌を作用させて機能を解析するex vivoでの検討も進める予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)試薬や試料を有効に活用するため、既に購入していた試薬や保存していた試料を用いて解析を進めた。また、来年度にも様々な試薬の購入や解析を予定しているため、繰り越して使用する予定とした。
(使用計画)昨年までと同様に、研究で使用するマウス、好中球の採取に必要な試薬・実験器具、遺伝子解析試薬やELISAキット、抗体、好中球の機能を調節・補助する試薬、ウイルスや細菌、細胞の培養に使用する試薬などを購入予定である。また、情報収集のための旅費などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)