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2023 Fiscal Year Research-status Report

MRSA感染症における血栓形成へのNETsの影響に関する検討

Research Project

Project/Area Number 21K08518
Research InstitutionToho University

Principal Investigator

山口 哲央  東邦大学, 医学部, 准教授 (10408239)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
KeywordsMRSA / NETs / plasma-biofilm
Outline of Annual Research Achievements

MRSAによる血流感染症は治療抵抗性を示し難治化することも少なくない重篤な疾患である。血栓病変を起こしやすく、様々な臓器に播種性病変を形成することも特徴の一つであるが、血栓形成が活性化する詳細なメカニズムは明らかになっておらず、臨床上の問題点となっている。MRSAは血漿存在下において、凝固因子を利用した強固なPlasma-biofilm (BF)を形成するが、我々はplasma-BF形成能が高い菌株を感染させた菌血症マウスモデルでは血栓傾向を示すことを確認している。また、近年、過剰なNeutrophil extracellular traps (NETs) 形成が血栓傾向を誘導することが分かってきた。我々は、MRSA菌血症ではplasma-BFがNETs形成を刺激することで血栓形成を誘導すると考えた。本研究では、臨床分離株および遺伝子KO株を用いて、MRSA菌血症マウスモデルにおける血栓病変形成メカニズムを明らかにする。血栓形成の原因と考えられるNETs形成の促進因子を明らかにすることにより、MRSAによる血流感染症の治療ターゲットの特定と新規治療戦略の創出を目指す。
ボランティアのヒト血漿を用いて、plasma-BFを形成させたところ、ヒトの血漿毎に形成能が異なることが明らかとなった。また、plasma-BF形成に寄与するMRSAが産生するコアグラーゼを添加すると凝固する血漿としない血漿が存在することが明らかとなった。ヒトによってコアグラーゼ反応性およびplasma-BF形成能が異なることがわかり、これが、生体内における、血栓形成メカニズムに関与している可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

マウス血漿では反応性が悪かったため、ヒト血漿を用いて検討を進めている。ヒト由来サンプル収集に時間を要している。また、ヒト血漿を用いたplasma-BFは成熟すると脆く剥がれやすいため、biofilm形成量の評価法を新しく確立する必要があったため時間を要している。

Strategy for Future Research Activity

現在、ヒト血漿を用いたplasma-BF形成量の評価法を確立し、検体収集を再開している。今後、収集したヒト血漿を用いて、plasma-BF形成能およびコアグラーゼ添加に伴う凝集性と、患者背景との関連について検討する。さらに形成されたplasma-BFとNETsの関係についても検討し、血栓形成メカニズムの解明を目指す。

Causes of Carryover

ヒト血漿を用いたplasma-BF形成量の評価法の確立に時間を要した。来年度は、学会参加や論文投稿への費用に使用する予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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