2021 Fiscal Year Research-status Report
ウルトラファインバブルと超音波を用いたMRSAデバイス感染新規治療法の開発
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21K08519
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高田 徹 福岡大学, 医学部, 教授 (90268996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 耕大 福岡大学, 医学部, 講師 (40762266)
宮崎 元康 福岡大学, 薬学部, 助教 (70882603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | MRSA / バイオフィルム / ブドウ球菌 / 超音波 / 抗菌薬 / 非抗菌薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、菌の産生するバイオフィルムに対する超音波照射の効果を検討するため、主に安定なウルトラファインバブルや超音波照射の最適条件の設定およびin vitro実験を行った。 バイオフィルムの作成は市販のバイオフィルム作成キットを用いた。バイオフィルム作成の菌種として、最終的な検討対象であるMRSA以外に、対照としてバイオフィルム産生能に優れるMSSA、表皮ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌などの異なる菌種も条件設定の上で使用した。バイオフィルム作成に最適な条件設定のため、各種培地、菌液濃度、バイオフィルム染色液の濃度、染色時間で検討を行った。超音波照射の条件設定に関しては、超音波照射の強度、照射時間等につき各種サイズのウルトラファインバブルで行い再現性のある安定な条件設定を試みた。抗菌物質として各種抗菌薬以外にガス条件にも着目し、各種濃度の酸素や一酸化炭素の超音波照射下での抗バイオフィルム効果を検討した。これまでの検討で、in vitroでの再現性のあるバイオフィルム作成条件と超音波照射条件とが確立されつつある。また、抗菌薬以外にも一定のガス条件が抗バイオフィルム効果を発揮することが確認された。 一方で、別記の様な制約から研究実施計画で当該年度に予定していた組織培養で発育させた細胞内への菌の持続感染下でのバイオフィルム産生菌に対する超音波や抗菌物質の送達効果の検討については行うことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行が続き医療機関における実務上の各種対策や診療に関わる者として、本研究に専念できる十分な時間が得られなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroで抗バイオフィルム効果を最も発揮しやすい抗菌薬±非抗菌薬の組み合わせや送立するナノバブルのサイズや超音波照射条件を確立する。さらに、持続感染細胞内への超音波による送達効果やモデル動物での超音波による治療効果についても検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は新型コロナウイルス感染症の流行に伴い医療機関における実務上の各種対策や診療に関わる者として、本研究に専念できる十分な時間が得られなかったため次年度使用額が生じた。次年度は当該年度に実施できなかった持続感染細胞内への超音波による送達効果やモデル動物での超音波による治療効果を含む検討にこれらの額を使用していく予定である。
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