2023 Fiscal Year Annual Research Report
1型糖尿病に対する膵島特異的自家樹状細胞ワクチン開発のための基盤研究
Project/Area Number |
21K08525
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中條 大輔 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30640528)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸邉 一之 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30251242)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 1型糖尿病 / 自己免疫 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1型糖尿病は細性性免疫による膵ベータ細破壊を主因とした自己免疫疾患であるが、膠原病等と異なり、成因である自己免疫を制御する治療法が確立されていない。そこで本研究では、申請者が行ってきた1型糖尿病患者の膵島抗原特異的細胞性免疫反応のデータをもとに、(1)1型糖尿病発症における責任抗原エピトープを明らかにし、(2)患者ごとの責任抗原エピトープで教育した自家樹状細胞を用いて膵島抗原特異的病原性T細胞の活性を制御することを試みることを目的に研究を実施してきた。 2023年度は、2021年度にアッセイを確立し、2022年度に同定することが可能であると確認された日本人1型糖尿病患者における責任抗原エピトープについての解析を継続した。具体的には、20名の急性発症1型糖尿病患者を対象に、膵島抗原GAD65及びプレプロインスリン(PPI)の単ペプチドで末梢血単核球患者(PBMC)をIL-2存在下で刺激・培養し、フローサイトメトリーにてサイトカイン産生T細胞の割合を解析した。その結果、3名でGAD65: 115-127が、16名でGAD65: 247-266が、3名でPPI: C19-A3が、3名でPPI: C22-A5が責任抗原エピトープとして挙げられた。また、GAD65: 247-266特異的Th1細胞反応は他のエピトープ特異的反応と比較して優位に亢進していた。 そこで、GAD65: 247-266をターゲットとし、GAD65: 247-266特異的Th1反応を制御するためのアッセイの確立を試みた。具体的には研究対象者由来の単球にサイトカイン等を添加し作成した制御性樹状細胞を同抗原ペプチドで教育し、その樹状細胞で同一対象者のTh1反応を制御する試みである。今後はこのアッセイを用い、解析を進めていく。
|