2023 Fiscal Year Annual Research Report
抗糖尿病効果を発揮する熱ストレス応答経路の多臓器間クロストーク解明
Project/Area Number |
21K08533
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
近藤 龍也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70398204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 名誉教授 (10253733)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 細胞内ストレス / 熱ストレス応答経路 / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)HSP72全身型ノックアウトマウス (HSP72KO)の表現型解析。HSP72KOに高脂肪食負荷後解析。HSP72KOは体重は不変であるが、空腹時高血糖、耐糖能悪化、インスリン抵抗性増強、内臓脂肪肥大、肝脂肪化を呈した。糖新生酵素 の遺伝子発現は亢進し、脂肪合成酵素の発現亢進も認めた。血中のサイトカインレベルは、adiponectin低下, IL-6上昇,TNF-α上昇, IL-1β上昇を示した。インスリン感受性組織におけるインスリンシグナルは減弱し、ストレス関連分子(JNK, NF-κB, IL-6, PERK, eIF2α,IRE1α, NOX, mtROS)の発現は亢進した。膵においては免疫組織学的検討によりインスリン発現低下、PDX-1発現低下を認め、膵島周囲にマクロファージの組織浸潤促進が確認された。 2)HSP72KOの脂肪組織・膵β細胞・マクロファージの各々に特異的にHSP72を発現回復できるシステムを構築。 3)HSP72KOに脂肪特異的HSP72発現回復したモデルマウスの表現型解析。2型糖尿病様のインスリン抵抗性・耐糖能異常を示すHSP72KOに脂肪特異的HSP72発現回復すると、糖負荷試験における血糖上昇が抑制され、インスリン負荷試験での血糖低下が顕著であった。 4)HSP72KOに膵β細胞特異的HSP72発現回復したモデルマウスの表現型解析。傷害された膵島の形態異常が回復、インスリン陽性細胞数増加し、ブドウ糖応答性インスリン分泌改善を認めた。 5)HSP72KOにマクロファージ特異的HSP72発現回復したモデルマウスの表現型解析。ApoE欠損マウスとの交配で動脈硬化促進が認められたが、マクロファージHSP72回復で動脈硬化抑制を認めた。
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Research Products
(24 results)