2023 Fiscal Year Annual Research Report
緩徐進行1型糖尿病膵における原因ウイルスの同定と自然免疫応答の解析
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21K08541
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
小林 哲郎 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (30113442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 章 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (20322646)
水谷 哲也 東京農工大学, 農学部, 教授 (70281681)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Enterovirus / VP1 / 2Apro / MDA5 / IFNβ / Metaplasia / PanIN / lesion |
Outline of Annual Research Achievements |
緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)患者剖検膵をエンテロウイルス(EV)のエンベロップ蛋白に対する抗体およびEV生成酵素である2Aproに対する抗体(研究者が作成)を用いて免疫組織学的に検討した。この結果SPIDDM膵にはMDA5, TLR4, IFNβが発現しており、2Aproにより、罹病期間とともにMDA5, IFNβが破壊感染される現象を見出した。SPIDDM膵におけるEVは糖尿病の発症後10年以上の例でも膵島に検出された。この成績から、EV感染による宿主への自然免疫の抑制が起こり、EVの持続感染がおこることが明らかとなった。EVの増殖の指標である2Aproの検出が可能となりEV感染動態の解明に寄与することとなった。さらに、SPIDDM患者膵においてEVが膵島細胞のみならず、膵腺房細胞にも感染しておりこの方法に関しては、Jimbo E, Kobayashi T et al. J Diab Invest 13:435-442, 2022に発表された。さらにβ細 胞は自然免疫センサーであるMDA5と下流のIFNB1が発現亢進していることを認めた。EV感染のある膵腺房細胞にも同様にMDA5と2Aprの発現がみられ、EV感染細胞 はacinar-to-ductal metaplasia(ADM)と前癌病変といわれているPanIN病変をみとめた。以上の成績はSPIDDM例においてEVが膵島と膵腺房細胞に持続感染し、β細胞の破壊、腺房細胞の異形化を起こすこと、経年的にこの病変も進行し、PanIN病変が増加すすことが明らかになった。 上記の成績 Sci Rep 13: 6977, 2023、Nat Rev Endocrinol 20: 312, 2024 掲載された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Bi-glandular and persistent enterovirus infection and distinct changes of the pancreas in slowly progressive type 1 diabetes mellitus.2023
Author(s)
Fukui T, Kobayashi T, Jimbo E, Aida K, Shimada A, Oikawa Y, Mori Y, Fujii T, Koyama R, Kobayashi K, Takeshita A, Yagihashi S.
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 13
Pages: 6977
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 膵病変を合併する1型糖尿病の臨床的,遺伝的特徴の検討 日本人1型糖尿病の包括的データベース(TIDE-J)より(会議録)2023
Author(s)
福井 智康, 梶尾 裕, 中條 大輔, 安田 和基, 霜田 雅之, 春日 雅人, 今川 彰久, 池上 博司, 大澤 春彦, 島田 朗, 長澤 幹, 及川 洋一, 安田 尚史, 粟田 卓也, 川崎 英二, 高橋 和眞, 小林 哲郎, 花房 俊昭, 小澤 純二, 香月 健志, 小谷 紀子, 土屋 恭一郎, 堀江 一郎, 能宗 伸輔, 金綱 規夫
Organizer
第66回日本糖尿病学会年次学術集会