2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性低酸素環境に注目した乳がんの抗アンドロゲン薬抵抗性獲得機序の解明
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21K08545
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
今道 力敬 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (00570194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 恒 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10451923)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低酸素環境 / Enzalutamide / MDA-MB-453 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、Cre recombinase (Cre)-loxP 部位特異的DNA組換えシステム(loxP-DsRed-loxP-eGFP発現ベクター系)を利用した、MDA-MB-453細胞スフェロイド内における慢性低酸素環境の可視化のための培養細胞系の構築を進めた。DsRedを発現するMDA-MB-453細胞クローンを単離・培養し、得たクローンに対して低酸素応答配列を含むプロモーターによるCre発現システムをレンチウイルスにより導入した。CRE発現システムが導入された細胞を低酸素環境下に曝露し、曝露に伴いGFPを発現するMDA-MB-453細胞クローンを選択培養した。一方、アンドロゲン受容体を高発現する乳がん由来細胞株 MDA-MB-453細胞の低酸素環境曝露における細胞内代謝変化を調べるため、長時間低酸素環境下でMDA-MB-453細胞をインキュベート後、細胞を回収・処理しサンプルを調製した。各サンプルは、キャピラリ電気泳動・飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS)による水溶性代謝産物の網羅的解析に供した。低酸素環境への曝露により細胞内の乳酸濃度が増加するとともに他の代謝関連産物の変動を認めた。続いて、正常酸素環境下および低酸素環境下においてのMDA-MB-453細胞増殖に対するEnzalutamideの影響について検討した。正常酸素環境下においては高濃度のEnzalutamideによる細胞増殖の抑制を認めたが、低酸素曝露環境下では同濃度のEnzalutamideによっても細胞増殖が抑制されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低酸素環境下においてMDA-MB-453細胞の増殖はEnzalutamideの作用に抵抗性を示すという結果を得ることが出来た。また、低酸素環境下でGFPを発現する細胞群は得たものの、MDA-MB-453細胞のスフェロイド内における低酸素環境の可視化システムは構築できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
MDA-MB-453細胞のスフェロイド内における低酸素環境の可視化システムの構築を引き続き進める。低酸素環境下への長期間の曝露がMDA-MB-453細胞の遺伝子発現および細胞内代謝産物の様式にどのような影響を与えるのか明らかにするため、トランスクリプトーム解析およびメタボローム解析を行う予定である。また、Enzalutamideの影響についてもMDA-MB-453細胞を用いて網羅的な解析を行う予定である。これらの方法により慢性低酸素環境下におけるMDA-MB-453細胞のEnzalutamideへの抵抗性の獲得機序を明らかにする。
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Causes of Carryover |
低酸素環境下への長期間の曝露に伴うMDA-MB-453細胞の遺伝子発現と細胞内代謝物の様式を網羅的に解析するために、トランスクリプトーム解析およびメタボローム解析を行う計画を立てていたが、期限内にすべてを実施することが出来なかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額はトランスクリプトーム解析およびメタボローム解析に使用する予定である。
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