2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of reproductive regulation by BMP and Clock-related factors.
Project/Area Number |
21K08556
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大塚 文男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40362967)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣 / ステロイド合成 / 骨形成蛋白 / 時計遺伝子 / 生殖内分泌系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、月経不順・不妊の原因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の病態生理に着目し、骨形成蛋白(BMP)分子により形成される卵胞内情報伝達系を分子生物学的に紐解くとともに、H-P-O系におけるBMP機能を明確化することで、生殖内分泌の病態解析や創薬として応用すべく研究を展開した。初年度の研究では、特に卵胞ステロイド合成に重要な役割を担う転写因子:NR5A1とNR5A2に着目し、Clock・BMPシグナルとの関連についてヒト卵巣顆粒膜細胞株を用いて検討した。顆粒膜細胞のステロイド合成系をforskolin(FSK)により活性化すると、ステロイド合成酵素の発現が速やかに増加したが、BMPおよびGDFの存在下ではStAR, P450sccの発現が強く抑制された。また、BMPの存在下ではClockのmRNAおよびタンパク発現は増加し、NR5A2の発現レベルは減少した。NR5A1およびNR5A2のmRNAレベルは、それぞれP450arom・3βHSDおよびStAR・P450sccのステロイド合成系のmRNA発現変化と正の相関を呈し、BMPシグナル強度を示すId-1の転写については、NR5A1とは正の相関、NR5A2とは負の相関を呈した。Clock mRNAレベルは、NR5A2よりもNR5A1 mRNAとの間に強い正の相関を認めた。Clockの発現を強制的に抑制すると、NR5A1およびP450aromの発現は減少したが、Clockの発現はP450aromよりもNR5A1とより強い相関を示した。卵胞ステロイド合成系において、BMPにより誘導されるClock発現がNR5A1の発現を促して卵胞ステロイド合成を誘導する一方で、BMPはNR5A2の発現を抑制して卵胞ステロイド合成を減弱するという新たな調節系が示され、NR5Aが卵胞ステロイド合成調節に直接的に寄与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、ほぼ予定通りの研究を進めることができている。しかしながら、初年度の予定項目で遂行できなかった事項については、次年度の計画とともに着実に遂行したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では以下の骨子となる研究を遂行している:1)卵胞BMPシステムによる卵胞ステロイド合成および細胞増殖活性の調節とSmad制御因子の意義の検討、2)PCOS病態に関与する内分泌因子とBMPシステムの機能連関とその機序へのアプローチ、3)卵胞に発現する時計遺伝子・日内リズム調節因子とBMPシステムとの相互作用の解明、4)H-P-O軸における Systemic BMP communicationの探索、の4つである。今年度は、骨子:1)3)に関連して、排卵やホルモン変動のリズム形成に寄与する時計遺伝子群と卵胞ステロイド合成酵素および転写因子(NR5A1/NR5A2)の発現調節の関係を明らかにしたが、この結果を応用し、リズム調節ホルモン(melatonin, orexin)、摂食調節ホルモン(leptin, ghrelin)との関連へ展開するとともに、H-P-O軸を考慮したコンベンショナルな卵巣機能調節モデュレーターとしての活用を目指し、骨子:2)4)に拡大して、Systemic BMP communicationとしての生理的意義へ迫りたい。
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Research Products
(41 results)
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[Journal Article] Gender-Dependent Characteristics of Serum 1,25-Dihydroxyvitamin D/25-Hydroxyvitamin D Ratio for the Assessment of Bone Metabolism.2021
Author(s)
Manami Fujita-Yamashita, Koichiro Yamamoto, Hiroyuki Honda, Yoshihisa Hanayama, Kazuki Tokumasu, Yasuhiro Nakano, Kou Hasegawa, Hideharu Hagiya, Mikako Obika, Hiroko Ogawa and Fumio Otsuka
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Journal Title
Cureus
Volume: 13
Pages: e18070
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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