2021 Fiscal Year Research-status Report
The clarification of aldosterone production machinery and the identification of therapeutic factors based on the posttranscriptional regulation
Project/Area Number |
21K08557
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
沖 健司 広島大学, 病院(医), 講師 (30638995)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 原発性アルドステロン症 / アルドステロン / 転写後調節 / CYP11B2 |
Outline of Annual Research Achievements |
試験1. CYP11B2 RNA結合蛋白から転写後調節因子の同定とリボソームプロファイリング T7プロモーターを付加したCYP11B2 cDNAをを作製した.Ribo Trap Kit (MBL株式会社医学生物学研究所) を用いて,前述のCYP11B2 cDNAを試験管内で転写し,BrU標識したCYP11B2 RNAを作製した.BrU標識CYP11B2とKCNJ5変異を導入したAPA (アルドステロン産生腺腫) モデル細胞株の細胞溶解液の共培養を行い,RNA結合タンパクを抽出した.RNA結合蛋白を電気泳動指し,複数のタンパクが抽出されていることを確認した.LC/MSMS法を用い,ゲル内のタンパク質同定を行った.APAモデル細胞株とその対照となるHAC15細胞株でのタンパク発現量の比較解析 (セミ定量) とAPAモデル細胞株でのみ得られたタンパクの同定解析を行い,アルドステロン過剰合成時にCYP11B2に結合する複数のタンパクを得た. 試験2. アルドステロン合成に関わる因子の機能解析 試験1で同定した因子をHAC15で発現調節するため,過剰発現およびshRNA用のレンチウイルスベクターを作製した.APAモデル細胞株でのshRNAとHAC15細胞株での過剰発現解析を行い,CYP11B2発現解析とアルドステロン定量を行った.shRNAでアルドステロン合成が抑制され,過剰発現でアルドステロン合成が促進されるCYP11B2転写後調節因子の候補を得た.試験1と2で同定した因子が,CYP11B2の転写後調節に重要であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における当初の計画で,試験1で予定していたCYP11B2 mRNAに結合するタンパクの抽出と網羅的解析を予定していた.前述したように,APAモデル細胞株とその対照であるHAC15細胞株の細胞抽出液とCYP11B2の共培養を行い,CYP11B2に結合するタンパクを得ることができた.さらには,LC/MSMSによるタンパク同定も実施することができ,APAモデル細胞株におけるCYP11B2に結合するタンパク群を得ることができた. 試験1で得た結果を基に,CYP11B2調節律速因子を推定し,APAモデル細胞株とHAC15細胞株で過剰発現あるいは抑制を行い,注目している因子の機能解析を行うことができた.さらに,その因子がアルドステロン合成を調節していることも分かった.詳細な機序をさらに詰めていく必要があるが,当初予定していた計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度以降は以下の内容で,CYP11B2転写後調節因子の解析を予定している. 1.リボソームプロファイリングによる翻訳中のRNAを解析 実験Ⅰで抽出した因子をHAC15に過剰発現または抑制し,アルドステロン合成に与える影響を評価し,リボソームプロファイリングを行う.リボソーム内のCYP11B2 mRNA配列および他の発現調節された因子を同定する. 2.APAモデル細胞株での標的因子操作による機能解析 2021年度に得た因子に対し,Bioinformaticsや既報から,その因子を介したCYP11B2蛋白発現までの経路を推測しているが,その経路に対する特異的拮抗薬や阻害剤を用いてアルドステロン合成に及ぼす影響をAPAモデル細胞株で検討する.レンチウイルスを用い,同定した因子の過剰発現または抑制を行い,標的経路の蛋白定量やアルドステロン合成量を明らかにする.同因子に対するdominant negative効果をもつ蛋白をknock in,または,翻訳抑制因子の導入なども組み合わせる.転写を制止したAPAモデル細胞株において,アルドステロン合成に必要なカルシウムシグナルを活性化させ,同因子を介した転写後調節を検討する.
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Research Products
(9 results)