2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of glucose excretion mechanism of metformin in human colon
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21K08578
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂口 一彦 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (20444573)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | FDG-PET/MRE / 消化管 / GLUT2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々ははヒトを対象とした生体イメージングにより、1) 血中グルコースが腸管内腔に排泄されること、及び、2) 抗糖尿病薬メトホルミンがこの過程を促進することを見出した。本研究はこの現象の発現メカニズムと生理的意義について、解明を試みるものである。 グルコース排泄が腸管のどの部位で起きるのかを検証するため、メトホルミン服用者5人を対象に、90分間にわたってPET/MRI撮像を続ける連続撮像法を実施した。得られた画像から動画を作成すると共に、消化管の各部位における放射活性の時系列データも収集した。 これまでの検討で、メトホルミン服用者では腸管内腔のグルコース集積が増加することを見出しており、食道、胃、十二指腸においては集積を認めなかったことから、ヒトでは回腸以後の消化管が腔内へのグルコース排泄機構を備えると考えた。 そこで、FDG投与直後から撮像を開始し、90分間連続的にPET画像を撮影し、FDGが腸管のどの部位から内腔に出現し、どのような挙動をとるのかを検討した。5名のメトホルミン服用者から得られた動画から、FDGの排泄は主に上部小腸である空腸で起き、それが蠕動によって大腸に移動することが明らかになった。また消化管の各部位における放射活性(SUX peak)の時系列データからも、FDGは小腸で排泄され、蠕動運動に伴って腸管肛門側に移動することが確認できた。 その分子メカニズムを解明するために、免疫組織学的検討は断念し、遺伝子発現に関しての検討に切り替えて現在サンプルを収集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍において患者の受診控えや院内感染予防の観点から緊急性のない内視鏡検査を控える時期があったこと、担当大学院生の移動などがあり、サンプル収集 が大幅に遅れている。 入院患者、外来患者に再度呼びかけ行い、サンプルを収集中である。
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Strategy for Future Research Activity |
メトホルミン服用群8人(目標15人)、非服用群49(目標15人)のサンプルが得られている。
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