2021 Fiscal Year Research-status Report
膵β細胞におけるインスリンシグナルが可塑性に及ぼす影響の解明
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21K08579
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木戸 良明 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10335440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺原 俊一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00570342)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵島 / mTORC1 / 脱分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者が独自に作成した膵β細胞特異的Tsc2ノックアウトマウスは、若齢期において膵β細胞量増大、高インスリン血症、低血糖を呈するが、45週齢前後から徐々に血糖上昇を示すことが明らかとなった。その際の膵β細胞量は若齢期と比べて有意に減少しており、またインスリン染色をしたところ膵島内のインスリン陽性細胞が不均一となっていた。既報では、膵β細胞量減少の一機序として脱分化が近年注目されており、本マウスにおいても脱分化が起こっていることが示唆された。しかしながら、膵α細胞量増大は認められず、またインスリン・グルカゴン・PP・ソマトスタチン陰性クロモグラニンA陽性細胞が認められたことから、内分泌ホルモン陰性細胞が膵島内に存在することが明らかとなった。そこで、アミラーゼ染色を行ったところ、膵島内にアミラーゼ陽性細胞が多数認められた。アミラーゼ発現が膵内分泌細胞の脱分化であることを確認するために、若齢期においてPtf1a発現を免疫染色で確認したところ、Ptf1a、クロモグラニンA共発現細胞の存在が確認された。さらにこれらの結果を確認するために、YFPマウスと交配し、Lineage tracingを行ったところ、YFP陽性Ptf1a陽性細胞がTsc2ノックアウトマウスの膵島内においてのみ確認された。また、遺伝子発現変化を確認すべくRNA-seqをしたところ、Tsc2ノックアウトマウスの10週齢ではPdx1やMafA発現が低下しており、Aldh1a3発現が増加していた。これらの結果より、若齢期から脱分化が始まっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点までにおいて、Lineage tracingを含めてTsc2ノックアウトマウスの膵島において脱分化を起こしていることがほぼ確認できた。当初の予定通りの進捗状況と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
Tsc2欠損MIN6細胞を作成し、in vitroの系でmTORC1活性亢進MIN6細胞でPtf1a発現が増加するかどうかについて確認する。また、胎生期の影響を除外すべく、Ins-CreERを用いて、出生後に膵β細胞特異的Tsc2ノックアウトマウスを作製・解析する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により当初の予算計画とずれが生じ、消耗品の価格高騰と同時に旅費の使用が無かったことから、年度末において差が生じた。次年度において細胞培養実験が開始されることから、培養関連器具を新たに購入する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Oral administration of D-serine prevents the onset and progression of colitis in mice2021
Author(s)
Asakawa T, Onizawa M, Saito C, Hikichi R, Yamada D, Minamidate A, Mochimaru T, Asahara SI, Kido Y, Oshima S, Nagaishi T, Tsuchiya K, Ohira H, Okamoto R, Watanabe M.
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Journal Title
J Gastroenterol.
Volume: 56
Pages: 732-745
DOI
Peer Reviewed / Open Access