2022 Fiscal Year Research-status Report
腸管運動機能不全における形態学的特徴の解明および新しい診断基準の開発に関する研究
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21K08597
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
玉城 昭彦 九州大学, 大学病院, 医員 (70849455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孝橋 賢一 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10529879)
吉丸 耕一朗 九州大学, 医学研究院, 講師 (60711190) [Withdrawn]
松浦 俊治 九州大学, 大学病院, 准教授 (10532856)
川久保 尚徳 九州大学, 大学病院, 助教 (90711185)
日野 祐子 九州大学, 大学病院, 医員 (00884438)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腸管運動機能不全 / 腸管神経節細胞僅少症 / Hirschsprung病類縁疾患 / 筋間神経叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管運動機能不全は、器質的な閉塞起点がないにもかかわらず、腸閉塞症状をきたす難治性疾患群である。蠕動運動障害に伴い機能的腸管が減少し、日常生活や成長発育の維持に必要な栄養を経腸的に得ることができないため、長期にわたる経静脈的栄養が必要となることが多い。また、病態は十分に解明されておらず、診断や治療に難渋している現状がある。その代表的疾患としては、Hirschsprung病(H病)およびHirschsprung病類縁疾患(H類縁)が知られている。 腸管運動機能不全の診断には、病理診断が必須であり、腸管壁内神経叢および神経節細胞に対する評価が必要となる。しかし、基準となる正常範囲の具体的な数値は無く、個々の病理医の経験に委ねられている現状がある。そのため、正常腸管より得られた検体に免疫組織化学染色を行い、神経叢や神経節細胞の大きさや個数を評価および数値化し、簡便かつ客観的な病理診断基準の基礎データを作成する目的でこの研究を計画した。 対照群を10歳未満の小児剖検例29例とし、疾患群は当院で手術が行われたIsolated Hypoganglionosis(IHG)症例10例とした。評価は切除検体を用いて行い、部位は、空腸、回腸、上行結腸、横行結腸、直腸の5カ所とした。評価項目は、1cmあたりの神経節細胞数、神経節細胞の核径、神経節1個あたりの面積、神経節間距離とした。計測する神経節細胞および神経節を定義し、それぞれHuC/D抗体、CD56抗体で免疫染色を行った。ROC解析を行い、AUC 0.7以上の診断精度を認めた項目を用いて、スコアリングシステムを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ解析、論文執筆まですすんでおり、進捗は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
校正を行い、論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
次年度も引き続きデータ解析および論文投稿を進めるため。 使用計画:試薬、抗体
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