2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞内シグナル伝達阻害薬が内分泌療法耐性乳癌の治療感受性を回復させる機序の解明
Project/Area Number |
21K08599
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
徳田 恵美 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70621960)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内分泌療法耐性乳癌 / PI3K阻害薬 / ER発現メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
内分泌療法に耐性を獲得しエストロゲンレセプター(ER)の発現が低下した乳癌が、再度内分泌療法に感受性を取り戻す可能性とそのメカニズムついての研究を遂行している。 我々の樹立した内分泌療法耐性乳癌細胞株にPI3K阻害薬などの薬剤を添加することでERの発現変化が起こりうるかを確認し、それら細胞の特徴について蛋白発現解析や網羅的遺伝子解析法を用い探索した。ERの機能は標的遺伝子の発現やレポーターアッセイ法で解析し、ERの蛋白発現に関わる遺伝子の変化や遺伝子修飾変化の有無について確認したところ、ER標的遺伝子の変化が再現性をもってみることができた。 エピジェネティックな手法を用いて解析し、未だ明らかでないPI3K-mTOR経路とER経路の関係についても解明したいと考えており、今後PI3K阻害薬をはじめとするER発現を変化させうる薬剤の添加が直接エピゲノム制御と関連している可能性について検討する。方法は①まずERが再発現した細胞の内分泌感受性について、内分泌療法薬を添加する細胞増殖試験、ERが直接作用するエストロゲン応答配列(ERE)の機能を測定するERE-ルシフェラーゼによるアッセイ法によるERの機能解析を行う。②次にERの蛋白発現に関わるエピジェノミックな変化をクロマチン免疫沈降法、ジェノミックな変化をDNAメチル化解析法で検討する。③次世代シークエンサーを使って標的遺伝子の遺伝子発現変動を網羅的に解析するRNA-seqの手法を用い、国内外の公共データベースの遺伝子発現と本研究の遺伝子発現変化の変動解析を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
内分泌耐性細胞を用いた細胞実験を行っているが、ERの蛋白発現に関わるエピジェノミックな変化をクロマチン免疫沈降法による実験が比較的難易度が高く、経験が浅いためか、実験結果の誤差が大きく生じていること、また次世代シークエンサーを用いた研究の技術の習得に時間がかかることで研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を遂行するために、可及的早急に本研究に必要な実験技術を習得すること、またデータベース研究の分野に長けている研究者と共同研究を行うことを検討している。
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Causes of Carryover |
本年度、予定していた研究が十分に遂行できず、次年度に実験を行うこととなったため。次年度に研究で使用する予定である。
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Research Products
(1 results)