2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of novel prophylaxis method for IFALD by utilizing DPP4 inhibitor.
Project/Area Number |
21K08605
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
末吉 亮 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10724172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世川 修 東京女子医科大学, 医学部, 臨床教授 (30255682)
古橋 七海 東京女子医科大学, 医学部, 後期臨床研修医 (60911914)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 短腸症候群 / DPP4阻害薬 / IFALD / 肝障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では腸管不全関連性肝障害(Intestinal Failure Associated Liver Disease: IFALD)のメカニズム解明に向けて、糖尿病薬であるDPP4阻害薬を用いてラット短腸症候群モデルに於ける効能を検討している。今までの研究にて、IFALDの発症には複数の因子が関与して肝障害が進行していくと考えられている。まず初めに、腸管不全に伴う長期間の中心静脈栄養により、胆汁うっ滞が持続して胆汁酸の腸肝循環が滞り、肝臓の脂質代謝が障害されることが第一要因として考えられている。 この第一要因に対して、DPP4阻害薬は非アルコール性肝炎(Nonalcoholic steatohepatitis: NASH)に対しての有用性が報告されているため、IFALDに対しての有用性が期待された。本年度までの研究成果では、短腸症候群のみの手術を施行したSBS群、短腸症候群+中心静脈カテーテル挿入を施行したIFALDモデル群において、DPP4阻害薬投与群は非投与群と比較して血中ALT値が有意に低下していた(p<0.05)。 また、肝臓の病理組織についてはH-E染色を施行し、NASHモデルの肝臓病理スコアリングであるSAFスコアリングを用いて評価を施行した。このSAFスコアリングの数値はSBS群・IFALD群の2つの外科的モデルにおいて、DPP4阻害薬投与群が非投与群と比較して有意に低値を呈している結果であった(p<0.05)。 また、DPP4阻害薬は糖尿病治療薬であることから、低血糖や体重増加不良が懸念されたため、血糖値・体重増加の推移を検討した。実際にはDPP4阻害薬非投与群と比較して、DPP4阻害薬投与群では血糖値は低いものの有意差は認めなかった。また、体重推移に関しても有意差は認めない結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度に本研究の概要を医学雑誌に投稿済みであり、研究計画以上に進展んしていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、以前の論文投稿では短腸症候群モデルのみでの結果報告であったため、IFALDモデルでの有用性についても報告していきたい。また、本現象のメカニズム解析についても検討をしていければと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度にも施行すべき実験内容が存在し、本年度の費用を次年度に繰り越すことが妥当と考えられた。繰越金も含めて、次年度に研究費用を有効利用していきたいと考えている。
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