2023 Fiscal Year Annual Research Report
NCYMによる分裂期制御機構とその神経芽腫発がんへの寄与の解明
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21K08610
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
末永 雄介 千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター 進化腫瘍学研究室, 室長 (80581793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 清宏 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 副部長 (10455389)
筆宝 義隆 千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究所長 (30359632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NCYM |
Outline of Annual Research Achievements |
がん遺伝子MYCNのアンチセンス転写産物であるNCYMはヒトでのみタンパク質をコードしがん悪性化に寄与する。これまで我々はNCYMがGSK3betaの抑制を介してMYCNを安定化し、神経芽腫の悪性化に寄与することを示してきた。NCYMの発がん促進能は分裂期における細胞死抑制と関連することが示唆されていたが、その詳細な分子機構は不明である。今回、胆管がんにおいてはNCYM高発現が予後不良と相関し、マウス胆管オルガノイド発がんモデルにおいてNCYM過剰発現により発がんが促進されることを見出した。トランスクリプトーム解析によりNCYMの下流遺伝子を探索した結果、オートファジー関連遺伝子が多数同定され、NCYMの細胞死抑制機構がオートファジー促進に関連する浮上した。さらに機械学習法によってNCYM阻害剤を同定し、胆管癌オルガノイドに処理したところNCYM依存的に細胞死が誘導され、オートファジーが抑制された。また同阻害剤は神経芽腫MYCN/NCYM増幅細胞においても分裂期において細胞死を誘導し、RNA-seq解析からJNK経路の活性化が関与することが示された。NCYM阻害剤によるJNK活性化は胆管癌オルガノイドでも検出されたことから、JNK経路はがん種によらずNCYM抑制による細胞死に重要であることが明らかになった。
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