2023 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction and the analysis of tumor stroma using ex vivo tumor model
Project/Area Number |
21K08616
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三吉 範克 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20528624)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 恒和 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (00527707)
土岐 祐一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20291445)
江口 英利 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90542118)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | がん / 腫瘍 / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
当グループが構築した初代培養細胞のex vivo培養モデルは形態学的に元の腫瘍と類似した多様性を保持しており、腫瘍不均一性を解析する有用なモデルと考えている。これにより患者の生体内におけるがん組織を構成する、がん細胞以外の「がん間質」について検討するべくex vivoで腫瘍を再構築させ検討を行った。 免疫不全マウスを用いて形成した腫瘍を観察したところ、臨床検体に類似した「がん間質」が再構築されていた。間質細胞の特長を解析するべく、蛍光ベクターを用いて標識したがん細胞を作成した。免疫不全マウスに蛍光標識した初代培養がん細胞を移植して形成した腫瘍を採取し、腫瘍を粉砕、当グループで構築した初代培養細胞樹立のプロトコルに従って細胞を分離、セルソーターを用いてがん細胞と腫瘍間質細胞を分離した。この分離した腫瘍間質細胞についてシングルセル解析を行ったところ、既報で指摘されている腫瘍間質成分についていくつかのクラスターに分類することができ、特徴的ながん関連線維芽細胞の集団のクラスター群を同定した。 がん細胞とがん関連線維芽細胞とのインタラクションについて解析するべく、リガンド-レセプターのシグナルに基づいて解析したところ、がん細胞が放出するリガンドに対してがん関連線維芽細胞において発現しているレセプターの組み合わせを同定することができた。このうち腫瘍において発現の高く、がん関連線維芽細胞においてもそのレセプターの発現の高いものを選択し、この受容体に対して研究的に使用可能な低分子化合物を用いることができるリガンド-レセプターの組み合わせから検討を開始することとした。 がん細胞による腫瘍間質を制御する機能を評価するべく、がん細胞と腫瘍間質との共培養系を用いて評価したところ、特定のリガンドについては腫瘍間質に作用することでがん細胞の増殖能、腫瘍形成能に寄与することが示された。
|