2022 Fiscal Year Research-status Report
インドシアニングリーン修飾リポソームを用いた小児肝がん新規治療法の確立
Project/Area Number |
21K08660
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小松 秀吾 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60436417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱木 知郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00375776)
菅波 晃子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (10527922)
田村 裕 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50263174)
照井 慶太 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70375773)
中田 光政 千葉県がんセンター(研究所), その他部局等, 主任医長 (90375775)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝腫瘍 / インドシアニングリーン / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では肝芽腫を含む小児肝がんに対する新たな治療戦略として、インドシアニングリーン修飾リポソーム(LP-iDOPE)を用いた光免疫誘導治療に加え、さら にLP-iDOPE内への抗腫瘍薬の内包を行い、より効果的で安全性の高い新規がん治療薬の構築を目指すことを目的 としている。2022年度はマウス肝腫瘍モデルにおけるLP-iDOPEの取り込みと近赤外光を用いた光免疫誘導治療効果の検討を行った。6 週齢のC57BL/6JJcLマウスの腹部皮下にマウス肝腫瘍培養細胞株 Hep53.4 (5×106cells/100μL PBS/1 匹)を投与し、皮下腫瘍モデルマウスを作成した。腫瘍体積が50mm3を超過した時点でICG修飾リポソーム((コントロール として、PBS、ICG)100μM を 100μL腹腔内投与し、近赤外光パルスビームを3日間にわたり照射した。治療効果判定として、経過中の腫瘍径を連日計測して評価を行った。赤外光パルスビームを照射中、腫瘍内の温度は6℃上昇したが、直腸温はほぼ変化を認めなかった。28日目の評価では、ICG修飾リポソーム投与群ではコントロール群に比べ有意に腫瘍体積が小さかった。また、経過中に有意な体重減少や血液検査異常などの副作用は認められなかった。これらの結果から、小児肝がんに対する新たな治療戦略として、インドシアニングリーン修飾リポソームを用いた光免疫誘導治療は効果的で安全性の高い治療となりえることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は予定通りマウスを用いてICG修飾リポソームの抗腫瘍効果の検討を行った。試薬投与量、投与時期などの至適条件検討にやや時間を費やしたが、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はシスプラチンを内包したICG修飾リポソームの抗腫瘍効果をマウスで検証予定である。治療効果判定として、経過中の腫瘍径を連日計測して評価を行い、さらにシスプラチンの毒性評価のため、経時的な体重測定、採血検査、摘出臓器(心臓、腎臓、腫瘍)のHE 標本を作成し組織学的変化の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
3月に提出する予定であったマウスの血液検査を今年度の4月に提出したため、この分の検査費用が次年度使用額として余りました。
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Research Products
(1 results)