2022 Fiscal Year Research-status Report
タモキシフェン耐性乳がんを標的とした新規治療法の開発
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21K08670
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 陵宇 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (10625510)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳がん / タモキシフェン耐性 / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度までの解析から、タモキシフェン添加時の乳がん細胞(MCF7細胞)においてCEACAM6の発現亢進が観察されたことから、CEACAM6を恒常発現するMCF7細胞(MCF7-C6細胞)を樹立した。また、コントロールとしてGFPのみを発現する細胞株(MCF7-GFP細胞)も作製した。これらの細胞株を用いて、その増殖能を評価した。その結果、CEACAM6の発現による増殖能について有意な変化は観察されなかった。 次にCEACAM6が周囲の正常細胞に対してどのような影響を与えるかを検討するため、ヒト正常線維芽細胞(TIG-3細胞)を用いて共培養を行った。その結果、TIG-3細胞とMCF7-GFP細胞を共培養した場合は、MCF7-GFP細胞の増殖が抑制される傾向が観察されたのに対し、MCF7-C6細胞では増殖能が維持されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CEACAM6を恒常発現するMCF7細胞の樹立し、その機能解析を行うための共培養の系を確立できたことから、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
TIG-3細胞との共培養においてCEACAM6陽性細胞の方が高い増殖性を示したことから、共培養後のTIG-3細胞を用いてRNAシークエンスを行い、CEACAM6がTIG-3細胞にどのような影響を与えうるかを検討する。また、共培養の実験系に加え、MCF7-C6細胞とMCF7-GFP細胞由来の培養上清を添加した場合のTIG3細胞の増殖能および遺伝子発現の変化についても検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、学会(日本薬学会第143年会(札幌))はwebでの参加にしたため、予定した旅費に変更が生じた。また、いくつかの試薬に関しては定価より安価に購入できたため、次年度に使用する本研究費に変更が生じた。
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