2021 Fiscal Year Research-status Report
膵・胆管合流異常におけるNrf2 addictionを介した間質反応の解明
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21K08671
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森 大樹 徳島大学, 病院, 特任助教 (70448330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 広樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (20314867)
山下 祥子 徳島大学, 病院, 特任助教 (20825195) [Withdrawn]
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60398021)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵・胆管合流異常 / 発がん / Inflammasome / macrophage / fibroblast |
Outline of Annual Research Achievements |
膵・胆管合流異常(pancreaticobiliary maljunction:PBM)は、膵液の胆道内逆流によって様々な病態を引き起こし、特に胆道癌を高率に発症することが報告されている。その発癌プロセスとして、胆汁中成分の変化、胆道上皮の形態変化・細胞回転亢進・p53などの遺伝子発現変化などが研究され、主に胆道上皮の変化について報告されている。しかしながら、胆道上皮間質の線維芽細胞、免疫担当細胞についての検討は今までに全くなされていない。一方、Nrf2は抗酸化・抗炎症作用を有しているにも関わらず、Nrf2 addiction(Nrf2依存)を介したNLRP3 Inflammasome活性化が様々な炎症関連疾患の発症・進展だけでなく炎症関連発癌にも関与していると最近報告されている。本研究では慢性炎症下の膵・胆管合流異常における胆道癌発癌機構に関し、ヒト検体での検討により胆道上皮だけでなく胆道上皮間質の線維芽細胞・免疫担当細胞におけるNrf2依存的Inflammasome活性化経路の関与も含めて明らかにすることを目的とする。 令和3年度は、ヒト摘出検体における正常部と前癌病変部と癌部での検討として、症例を蓄積し、摘出した胆嚢粘膜上皮におけるInflammasome活性化について免疫組織学的染色を行ったところ、胆嚢粘膜上皮のNLRP3は小児PBM、成人拡張型PBM、成人非拡張型PBM、PBM合併胆嚢癌でcontrolより有意に高発現であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度の研究実施計画では、臨床検体での胆道上皮と間質のNrf2依存的Inflammasome活性化についての検討をすることであり、その足掛かりとして非担癌小児・成人膵・胆管合流異常症例、担癌成人膵・胆管合流異常症例、胆嚢摘出術施行症例(慢性胆石胆嚢炎症例も含む)のヒト摘出検体を順調に集積し、また免疫組織学的染色とその解析も順調に進んでいるため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
集積した非担癌小児・成人膵・胆管合流異常症例、担癌成人膵・胆管合流異常症例、胆嚢摘出術施行症例(慢性胆石胆嚢炎症例も含む)のヒト摘出検体を用いて、引き続き発癌関連遺伝子についての免疫組織学的染色を行い、胆道上皮と間質間のinteractionにおいてそれぞれのタンパク発現の解析を行い、前癌病変部と癌部と正常部において比較検討していく予定である。さらに、ヒト検体の集積も同時に行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度の研究に必要な抗体が予定より少額で賄えたため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 次年度は症例数増加のため抗体を含めた消耗品費が多く必要になると予想されるため、次年度研究費(消耗品費)と合わせて使用する計画である。
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Research Products
(4 results)