2021 Fiscal Year Research-status Report
PARP-1に着目した脂肪肝虚血再灌流障害の増悪機序の解明
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21K08696
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
加藤 宏之 藤田医科大学, 医学部, 講師 (50737004)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Ischemia reperfusion |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではPARPのなかでも特に肝類洞内皮細胞に強く発現するPARP-1に着目し、肝類洞内皮におけるPARP-1の役割を解明するとともに、そのブロッカーであるPj34の脂肪肝虚血再灌流障害(IRI)における細胞保護効果、特に類洞内皮保護効果(First benefit)を証明するべく以下の実験をおこなった。脂肪肝マウス70%虚血再灌流(IRI)モデルを使用しA群) 脂肪肝60min IRI+コントロール(n=4)とB群)脂肪肝60min IRI+PJ34(20mg/Body)(n=4)を作成し肝障害の程度を比較した。【結果】A群に比べてB群でAST値が統計学的有意差をもって低値となった(6370±1944 vs. 4011±1365)。また両群で肝障害の程度をH and E染色で比較すると、A群では中心静脈領域に著明なうっ血所見と肝細胞壊死を認め、グリソン鞘付近には高度な炎症細胞浸潤を認めた。またこれらの変化は通常肝の一方、B群(治療群)では肝壊死は軽減され、うっ血所見も有意に低下していた。また類洞内皮のTight junctionを構成するタンパクであるPECAM1やVE-カドヘリンを用いてウエスタンブロッティングを施行したところ、B群ではA群に比して有意にこれらのタンパク発現が保持されていることが判明した。これらの結果を総合するとPJ34niha類洞内皮保護作用を有していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験に関しては予想通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記に加えて、肝アポトーシスの指標としてCaspase3, 9の免疫染色、TUNEL染色を行う。また肝再生に関してはPCNA, CyclinD1, Phosphorylated Histon3 などの染色、ウエスタンブロットを行う。 In Vitro study 門脈よりコラゲナーゼバッファー(50mM Tris–HCl,pH:7.5,150mM NaCl,5mM CaCl2 and 0.02% Brij-35)を注入し肝組織を溶解し溶解液からtwo-step Percoll gradient (25/50%)法を用いて類洞内皮のみを分離培養する。分離した類洞内皮にPj34 (25uM, 50uM 100uM)を加えた群と加えていない群で12時間、serum freeの飢餓培地 (RPMI-1640)にて培養しcell lysateを用いてRT-PCR、ウエスタンブロット、ATPアッセイを行いPARP-1より下流の細胞内シグナリング経路、ATP、ADPなどの細胞内エネルギー代謝を解析する。また培養液上清を用いてLDHアッセイを行いPj34の類洞内皮保護効果を証明する。またimunocytochemistoryを用いてPj34がPECAM-1の発現に与える影響を解析する。
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Causes of Carryover |
COVID-19に伴い、次年度へ繰越
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