2022 Fiscal Year Research-status Report
PARP-1に着目した脂肪肝虚血再灌流障害の増悪機序の解明
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21K08696
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
加藤 宏之 藤田医科大学, 医学部, 講師 (50737004)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Ischemia reperfusion / 肝移植 / PARP1 / 脂肪肝 |
Outline of Annual Research Achievements |
末期の肝硬変、肝不全に対して肝移植は唯一の治療であるが、本邦においてはドナー不足が著しい。しかし近年、脂肪肝患者の増加に伴い、摘出肝臓が脂肪肝であるがゆえ、移植を諦めなければならなかったり、また脂肪肝が原因で術後グラフト不全に陥る症例報告も散見される。これは脂肪肝が正常肝臓より臓器移植には必発の減少である虚血再灌流傷害(IRI)に弱く、類洞内皮障害や肝細胞障害が通常より顕著に現れることが原因の1つであり脂肪肝グラフト適応拡大にはこの問題を解決することが急務である。本研究ではPARPのなかでも特に肝類洞内皮細胞に強く発現するPARP-1に着目し、マウス脂肪肝虚血再灌流モデルを用いて、肝類洞内皮におけるPARP-1の役割を解明するとともに、そのブロッカーであるPj34の脂肪肝虚血再灌流障害における細胞保護効果を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果を移植学会で発表しており、その内容を今後、論文に投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
PARP-1阻害薬は脂肪肝IRIにおいて細胞保護効果を有しており、脂肪肝虚血再灌流障害を軽減する一助になる可能性が示唆された。今後、炎症細胞浸潤や類洞内皮障害の程度を検索し、その保護効果のメカニズムを解明する必要があると考えられるため肝細胞Cell lineなどを用いたIN VITRO実験を予定する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染患者の対応により、計画がやや遅れていたため。
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