2022 Fiscal Year Research-status Report
A novel laparoscopic near-infrared fluorescence spectrum system for photodynamic diagnosis of gastric cancer
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21K08702
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
海老原 裕磨 北海道大学, 大学病院, 特任教授 (50632981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
野路 武寛 北海道大学, 大学病院, 助教 (10739296)
田中 公貴 北海道大学, 大学病院, 助教 (10758642)
李 黎明 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 客員教授 (70316298)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胃癌 / 腹腔鏡手術 / 光線力学的術中リンパ節診断 / 蛍光スペクトル測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、センチネルリンパ節の転移有無を指標としてリンパ節郭清を個別に縮小ないし省略し、それに伴って切除範囲を最小限にするセンチネルナビゲーション手術が期待されている。しかし、センチネルリンパ節診断の感度がインドシアニングリーン (ICG: indocyanine green)単独では85.4%と一般的に実用化の指標となる感度90-95%以上を超えていないこと、また偽陰性の割合が46.4%と高いことが問題となっている。本研究の目的は、早期胃癌に対し新規蛍光腹腔鏡システム(LumifinderTM)を用いた術中ICGを使用したより精度の高いセンチネルリンパ節診断法を確立することである。本計測機器の測定精度を検証するためにICGの段階希釈溶液に対し、蛍光強度測定を行った。蛍光強度測定では、2.5x10-3mg/ml以下においてICG波長の観察が可能であった。また、ブタ胃壁を用いた深部組織における蛍光検出の比較検討では蛍光観察が不可能であった13mmの深さにおいても蛍光スペクトル観察が可能であった。これら実験結果をまとめて論文報告を行った(Ebihara Y, et al. J Minim Access Surg. 2022.)。さらに本器機を用いて深部皮下組織における微弱蛍光測定結果につき論文報告した(Ebihara Y, et al. Photodiagnosis Photodyn Ther. 2022. Chiba R, Ebihara Y, et al. J Thorac Dis. 2022.)。ICG蛍光微弱信号観察においてスペクトル測定を行うことにより、臨床においても皮下深部におけるセンチネルリンパ節同定が可能であった。本報告は、センチネルリンパ節同定方法として世界初の報告となる。2023年2月10日に新規蛍光腹腔鏡システム(LumifinderTM)が医療機器として薬事承認された(30500BZX00031000)。現在、本器機を用いて腹腔鏡下手術において胃癌センチネルリンパ節診断の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本実験に用いている新規蛍光腹腔鏡システム(LumifinderTM)の腹腔鏡用蛍光測定プローブの医療機器薬事承認に時間がかかり、臨床導入時期が遅くなった。そのため、臨床研究の開始時期が遅くなっている。現在、測定プローブの薬事承認が得られており、腹腔鏡下胃切除術にて臨床使用可能な状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の新規蛍光腹腔鏡システム(LumifinderTM)の腹腔鏡用蛍光測定プローブの医療機器薬事承認により腹腔鏡下手術での使用が可能となった。そのため、腹腔鏡下胃切除術において術中センチネルリンパ節観察を行うことにより、正確なセンチネルリンパ節同定が可能となった。今後は、胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術症例も適応とすることができ、多くの症例登録が可能となる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により欠品、納品遅れ状態が続いたため、残額が生じた。また、会議出張もWEB会議となり、旅費の必要がなくなったため。コロナ禍の影響がなくなり次第、物品や試薬の購入などの研究費ならびに旅費に使用する計画である
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Research Products
(5 results)