2022 Fiscal Year Research-status Report
直腸癌化学放射線療法後の臨床的完全奏効に対する新規サーベイランス方法の確立
Project/Area Number |
21K08703
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
太田 篤 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00749616)
大橋 瑠子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20447600)
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
竹内 志穂 新潟大学, 医歯学系, 客員研究員 (70422277)
中野 雅人 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70744788)
凌 一葦 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70804540)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 直腸癌 / 術前化学放射線療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
直腸癌に対する術前化学放射線療法(Chemoradiotherapy: CRT)で臨床的完全奏効が得られた症例に対して、積極的に非手術を選択する治療戦略(Watch and Wait: W&W)が注目されている。W&Wでは、直腸癌の再増大を早期に効率よく検出し、救済手術を行うためのサーベイランスが必要である。近年、癌組織のがん遺伝子パネル検査および循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)のリキッドバイオプシーを使用して、個々の癌の遺伝子変異の特徴を詳細に知ることができるようになった。申請者らは、「癌組織で検出される遺伝子変異は、血中ctDNAでも同様に検出可能である。そして、癌組織およびctDNAから遺伝子変異を検出することによって、W&Wにおける新たなサーベイランスの体系を構築できる」と考えて本研究を立案した。本研究の目的は、「直腸癌に対するCRT後のW&Wにおいて、個々の遺伝子変異に基づいた新しいサーベイランスの研究基盤を確立すること」である。 本年度は、主に下記の2点について研究を実施した。(1) W&Wのサーベイランスにおいてターゲットとなる遺伝子変異の探索を行った。CRTの対象となる下部直腸癌において、サーベイランスのターゲットとなり得るいくつかの遺伝子異常を検出した。(2) 直腸癌のCRTの治療効果予測におけるバイオマーカーの探索を行った。遺伝子変異解析では、シグナル伝達経路の異常や、個々の遺伝子異常との関係を解析し、CRTの治療効果と関連するシグナル伝達経路および個々の遺伝子変異を検出した。トランスクリプトーム解析では、治療前の生検検体を用いて、遺伝子発現を解析し、CRTの効果と関連するいくつかの遺伝子発現を検出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CRTの適応となる直腸癌症例が予想よりも少なく、遺伝子変異解析および遺伝子発現解析の実施が遅れているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
W&Wのサーベイランスにおいてターゲットとなる遺伝子変異、直腸癌のCRTの治療効果予測におけるバイオマーカーとなり得る遺伝子変異および遺伝子発現に関してBioinformatics解析を進める。これらの結果は、国内での学会発表を行い、論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
対象症例の集積が遅れたため、予定よりも検査にかかる費用が少なくなったためである。今後は、英文作成にかかる費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)