2023 Fiscal Year Research-status Report
免疫正常マウスを用いた線維性胃癌腹膜播種モデルにおける免疫抑制性微小環境の改変
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21K08704
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伏田 幸夫 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10301194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖彦 金沢大学, 医学系, 教授 (20313637)
原田 真市 金沢大学, 医学系, 准教授 (90272955) [Withdrawn]
木下 淳 金沢大学, 医学系, 准教授 (90584855)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 胃癌腹膜播種 / マウス腹膜播種モデル / 免疫微小環境 / tranilast |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの研究で、胃癌腹膜播種巣は抑制的免疫微小環境を呈している(CD8陽性細胞の浸潤少なく、M2マクロファージや肥満細胞の浸潤が多い)ことを明らかにした。 この原因として癌関連線維芽細胞 (CAFs)から分泌されるケモカイン CXCL12 が関与することを明らかにした。さらに、CAFs の機能を抑制する tranilast によってCAFs から分泌される CXCL12 の濃度が減少することを in vitro で確認した。 そこで、これらの現象を in vivo で証明すべく、胃癌腹膜播種巣における免疫微小環境を忠実に再現したモデルをマウス胃癌細胞株 YTN-16 とマウス線維芽細胞株 LmcMF を共培養した後、C57BL/6J マウスの腹腔内へ移植することで作成した。 tranilast 投与群の腫瘍重量はDW 群に比較して有意に少なかった。腫瘍の免疫組織学的検討では、αSMA陽性細胞(CAFs)やトルイジンブルー陽性細胞(肥満細胞)の浸潤がDW群に比し、有意に抑制されており、その結果として腫瘍内のAZAN染色域(線維化)も有意に減少していた。 また、tranilast 投与群では DW 群と比較してCD8陽性細胞 (CTL)の浸潤数は有意に増加し、CD163陽性細胞(M2マクロファージ)の浸潤数は有意に減少していた。 そこで、tranilast 投与群における腹膜播種量の低下がCD8 陽性細胞による抗腫瘍免疫によるものであることを、ヌードマウスに移植作成した腹膜播種巣におけるtranilast 投与による造腫瘍抑制効果よりも大きかったことで明らかにした。また、tranilast 投与群の腫瘍内にはTUNEL陽性細胞が有意に多く、腫瘍内のアポトーシス亢進によることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は、ほぼ予定通りに進行可能であり、期待していた実験結果も確認できた。したがってすべて完遂したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
実験結果を英文誌に投稿するべく、現在執筆中である。
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Causes of Carryover |
あらかじめ、国際学会発表に伴う費用および、論文投稿にかかる添削、open accessに充てる費用として前年度分から計画的に余剰させたので、その分として次年度に使用する予定。
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Research Products
(3 results)