2021 Fiscal Year Research-status Report
バイオマーカーおよびプロテアソーム阻害剤を用いた新たなイリノテカン療法の開発
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21K08735
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安藤 幸滋 九州大学, 大学病院, 助教 (20608864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 英次 九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌 / イリノテカン / プロテアソーム阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロテアソーム阻害剤を併用した新たなイリノテカン療法の開発に向けて、本年度は大腸癌細胞株を用いた基礎検討を行った。3種類の大腸癌細胞株(HCT-15、HCT-16およびDLD-1)を用いて各細胞株のイリノテカン感受性をまずは解析した。 HCT-16のみが感受性株であり、HCT-15およびDLD-1は耐性株であった。これらの耐性株ではイリノテカン暴露後にtopoisomerase I (topoI)の分解が確認された。この分解を止めることができれば、イリノテカン耐性を解除できると考え、プロテアソーム阻害剤を併用した。併用したところ、二つの株でのtopoI分解は抑制された。 つづいて、細胞死の実験を行った。イリノテカン投与のみでは、HCT-15およびDLD-1での細胞死は高濃度のみで認められたが、プロテアソーム阻害剤を併用すると、イリノテカンが低濃度の条件下でも細胞死が認められた。 すなわち、プロテアソーム阻害剤を併用することによりイリノテカン耐性株でのtopoI分解を抑制することで、イリノテカンの効果が高まったことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞株を用いた基礎検討において、イリノテカン耐性株にプロテアソーム阻害剤を併用することによりtopoI分解が抑制されることが確認できた。また、これらの株においてプロテアソーム阻害剤を併用することによりイリノテカンの効果が高まることを証明できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、動物実験を行い、さらなるメカニズム解明につなげたいと考えている。 さらにはヒトへの臨床試験も計画したい。
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