2021 Fiscal Year Research-status Report
Clinical application of the blood monitoring system in accordance with genomic information of circulating tumor cells
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21K08741
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
宮倉 安幸 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50306122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70332369)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血液モニタリング / ゲノムプロファイリング / 血中循環腫瘍細胞 / 循環腫瘍DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
【対象と方法】2021度は切除不能胃癌患者32症例を対象としてCTCを検出し、HER2蛋白発現のモニタリングの臨床的有用性を評価した。CTCの検出にはオンチップソートシステム (マイクロ流路チップセルソーター)を用いた。IHC3+もしくはIHC2+かつFISHでHER2/CEP17比≧2を組織HER2陽性とした。CTCのHER2蛋白発現はフローサイトメトリーの信号強度で判断した。HER2陽性細胞株(PC-9, HCT116, HT29)および陰性細胞株(A549)の信号強度から、信号強度>50をHER2陽性とした。上皮細胞マーカーであるサイトケラチンと間葉系細胞マーカーであるビメンチンの比で上皮間葉系移行を評価した。回収したCTCより全ゲノム増幅を行い、409の腫瘍関連遺伝子の遺伝子パネル解析を行った。【結果】32症例のうち、8症例は組織学的にHER2 陽性と診断されHER2阻害薬(トラスツズマブ)+抗がん剤が投与された (A群) 。24 症例は組織学的にHER2 陰性と診断され抗がん剤が投与された。この24 症例中, 14症例はCTCの HER2は陽性(B群)で、10症例は組織とCTC共に陰性であった (C群)。 B群の無増悪生存期間(PFS) は A群およびC群と比較して不良であった(A群は13.8 ヶ月, B群は7.0 ヶ月、C群は50%に到達せず、p=0.012)。組織学的にHER2 陰性でもCTCで HER2陽性症例では、HER2阻害薬によって予後が改善する可能性が示唆された。CTCの HER2発現の強度は上皮間葉系移行の程度と相関した (p=0.024)。A群とB群は、C群と比較して上皮間葉系移行の程度が有意に高かった。CTCの遺伝子パネル解析ではPI3K-AKT signaling pathwayの遺伝子変異が3つ以上の群で有意にPFSが短かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の計画通り、CTCの検出、タンパク発現、上皮間葉系移行の評価、CTC遺伝子パネルが行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やし、ctDNAとの比較、経時的なモニタリングのデータを蓄積する。
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Causes of Carryover |
消耗品の価格変動のため次年度使用額が生じました。消耗品購入の繰り越しにまわします。
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Research Products
(3 results)