2023 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子解析に基づいた膵癌に対する新規バイオマーカー及び分子標的治療の開発
Project/Area Number |
21K08757
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中川 茂樹 熊本大学, 病院, 特任助教 (10594872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (20240905)
山下 洋市 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00404070)
今井 克憲 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60555746)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / Molecular gene signature / 予後 / バイオマーカー / Cofilin-1 / ARDHGEF2 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は癌の中でも極めて予後が悪いことが知られている。世界的に見ても膵癌は死亡者数の上位を占めており、予防や早期診断、治療法、再発予防の開発は急務であると言える。膵癌根治切所術後の再発は肝転移・腹膜播種・肺転移などが主であり、再発治療や再発予防には化学療法が主に用いられる。膵癌に対する化学療法では、GnPやFOLFIRINOXの有効性が示されており、術前化学療法としても用いられるようになってきたが、有効な分子標的治療薬が存在しないのが現状である。このため、再発高リスク群を同定するマーカーの開発や、それに対して有効な分子標的薬の開発が急務である。今回我々は、網羅的な遺伝子データベースに基づいて①再発ハイリスク群を同定するバイオマーカーを作成すること②網羅的な遺伝子解析を用いて再発ハイリスク群に対して効果的な治療標的を検討すること③候補となる治療標的遺伝子の作用機序の解明及びヒト検体を用いた効果の検証することを目的とした。本年度は、膵癌における予後予測Molecular marker及び薬物治療標的として有用な遺伝子を検索するため、膵癌症例80例のRNAシークエンスデータベースであるGSE21501を用いたin silico解析を行った。cox比例ハザードモデルにより再発に対するハザード比が3.0よりも大きい、または-3.0よりも小さい遺伝子44遺伝子を選び、Molecular gene signatureを作成した。これをTCGAデータベースを用いて検証を行った所、GSE21501を用いて膵癌の予後及び再発と強く相関する遺伝子を検索したところ、Cofilin-1及びARDHGEF2 (Rho/Rac Guanine Nucleotide Exchange Factor 2)が予後及び根治切除術後の再発率共に強く相関する事が明らかとなった。
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