2023 Fiscal Year Research-status Report
NASHの肝線維化におけるマクロファージの活性化を介した組織線溶関連因子の役割
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21K08772
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
荒川 友博 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (70581388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 孝行 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (70509463)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | NASH / 線溶 / プラスミノゲン / Plg-RKT / 高LDLコレステロール血症 / 脂質異常症 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、線溶阻害因子であるPAI-1がNASHのような組織の線維化病態において著増することなどが報告されている。NASHの肝線維化には、組織線溶と再生の繰り返しが関与しているとされており、線溶関連因子が肝線維化に関与している可能性が考えられる。我々は、高 LDL コレステロール血症のマウスモデルである Ldlr-/-/Apobec1-/-(LA)マウスおよびLAマウスからプラスミノゲンをノックアウトしたマウスを用い、プラスミノゲン欠損が肝線維化に及ぼす影響を検討し、プラスミノゲン欠損により、肝線維化が抑制されることを見出した。しかし、そのメカニズムはよくわかっていない。プラスミノゲンは、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)または組織型PA(tPA)によって活性化され、プラスミンに変換される。最近、新規プラスミノゲン受容体であるPlg-RKT が、uPAやtPA によるプラスミノゲンの活性化に関与すること、炎症反応における単球/マクロファージの遊走において重要な役割を果たすことなどが報告されており、Plg-RKT が肝線維化に関与している可能性が考えられる。そこで、本年度は、LAマウスおよびLAマウスからPlgrktをノックアウトしたマウスを用い、Plgrkt欠損が肝線維化に及ぼす影響を検討した。生後2日目のマウスにストレプトゾトシン(STZ)を投与し、4週齢から高脂肪食を与え、10週齢まで飼育した後、肝臓を採取し、解析を行った。肝臓をHE染色し、NAFLD activity score(NAS)を用いてスコア化し評価したところ、LAマウスとPlgrkt欠損LAマウスのスコアに有意な差は認められなかった。また、肝臓をPSR染色し、線維化面積を測定し、肝線維化を評価した結果、LAマウスとPlgrkt欠損LAマウスの線維化割合に有意な差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NASHの肝線維化とPlgrktの関連性について明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
各種線溶関連因子がNASHの肝線維化に及ぼす影響について、各種線溶関連因子欠損マウスを用いてさらなる解析を行う。
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Causes of Carryover |
次年度はコストのかかる研究を行う予定であり、有効に使用したい。
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