2021 Fiscal Year Research-status Report
Development and application of an early detection method for postoperative recurrence of colorectal cancer using tears
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21K08778
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松田 武 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (30782734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛地 吉弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
竹内 俊文 神戸大学, 工学研究科, 名誉教授 (70179612)
谷野 裕一 神戸大学, 医学部附属病院国際がん医療・研究センター, 特命教授 (50285392)
犬伏 祥子 神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (60585959)
向山 順子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70734987)
中野 秀雄 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00237348)
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 術後サーベイランス / 肺転移 / 肝転移 / エクソソーム / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Liquid biopsy による原発性大腸癌術後再発の早期検出法の開発を目的とし、患者検体の採取および解析手段として涙液由来エクソソーム検出法 (TearExo 法) を用いる。これまでの成果と併せて述べると、本手法は①症例検体集積が簡便であり、迅速な前向き研究が実施可能、②エクソソームを確保するための抗体は変更可能で、病態・患者特異的に最適化したエクソソーム解析が可能、等の利点がある。転移臓器別抗体および患者個別抗体によるエクソソームを検出することで、個別検出を目指した次世代型精密医療の基盤構築を試みる。 まず、大腸癌細胞株を用いたエクソソーム検出と確認を行う。採取されたexosomeをmiRNA検出で確認する。大腸癌細胞株由来や大腸癌原発巣切除例組織培養液由来のエクソソームの単球系細胞への影響を検討する。この部分は超遠心とELISA 法で検証する。エクソソームと単球系細胞への影響を検討する。超遠心とELISA 法で検証し、RNAシーケンスを行う。さらに、大腸癌原発巣切除例のエクソソーム検出と定量を行うために、術前後でTearExo 法の検証を行う。さらに、同系が確立されれば、大腸癌同時性肝転移症例、同時性肺転移症例に対するエクソソーム検出とエクソソームの解析を行う。術前後でTearExo 法でのエクソソーム検証を行う。さらに、原発性大腸癌切除例に対するエクソソーム検出例の集積と観察研究を行い、大規模前向き臨床研究へと進めたい。 本研究の成果は、大腸癌の再発の早期検出のみならず、臓器指向性転移の検出方法が期待され、臓器別のフォローを重点的に行うことにより、早期発見と早期治療による治療性の向上を目指すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エクソソーム解析については、超遠視を行い、ウエスタンブロッティング法にで検出法の検証を行なっており、涙を用いた検出が十分可能であり、miRNAの採取が可能であることを確認した。また、大腸癌細胞および単球系細胞の培養液を用いて、エクソソーム検出系を立ち上げた状態である。大腸癌細胞を用いて検出系を確定させ、大腸癌感患者の術前、術後での変化を確認し、バイオマーカーとしての妥当性を喧騒する予定である。また、転移指向性エクソソームの検出は、時間を要する可能性が高く、今後の課題となる可能性があるため、新たなモデル作成が必要である。また、患者臨床検体に採取に関しては、準備が遅延しているため、早急の開始が必要である。さらに、規模を拡大した研究が必要となる可能性が高く、こちらも研究計画を企画している。胃癌腹膜播種症例を用いて腹水による検出も検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
医学倫理委員会書類の準備中であるが、これを早急に完成させる。また、実際の採取に関しては、涙のエクソソームの採取の自動化、迅速化を行う。これは、外来スタッフ及び共同研究者らの協力を得て、採取が自動的に蓄積されるようにシステム構築を図り、採取から解析の流れを円滑に行えるようにする。一方、臓器特異的転移のモデルとして、マウス肺転移モデルを作成している。ワクチン治療を行ったモデルを作成し、臓器指向性の転移エクソソームの検出モデルとして使用可能かどうかを検討している。治療後におけるエクソソームの検出感度及びそのバイオマーカーとしての妥当性をまず検証できるモデル構築を検討する。また、マウスの涙採取により、エクソソーム及びRNA検出の是非を検討しており、前臨床とはなるものの、涙の検出系の強化を図っている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の蔓延に伴う実験の制限で、進捗状況が遅れた。健常者における培養も制限が加わり、研究再開が遅延したため、計画通りの使用とならなかった。また、試薬を注文した際にも、海外からの取り寄せに制限がかかり、かなりの時間を要するために、実験が遅延する結果となった。このため、今年度は、昨年度分の計画をそのまま遂行し、出来るだけ成果につなげたいと考える。
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Research Products
(1 results)