2023 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内共生microbiomeからみた新規膵癌進展メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K08780
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江口 大樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90726390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 隆晴 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60611283)
森山 大樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (70586859)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / 細胞内細菌 / microbiome |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腫瘍細胞内に存在するmicrobiomeが腫瘍細胞のbiologyに影響を与えている可能性を考慮し、細胞内共生microbiomeに着目した癌の進展メカニズムの解明を目的とする。 ステップ【1】で、ヒト膵癌組織を用いて細菌の構成成分であるLPSを抗LPS抗体による免疫組織化学染色検査で評価したところ、膵癌の約60例で腫瘍内細菌の存在を確認した。正常膵組織にはLPSは検出されなかった。蛍光標識した細菌が膵癌細胞株に取り込まれることをTime-Lapse imagingでリアルタイム撮影することに成功した。 ステップ【2】で、細胞内に侵入することが報告されている特定の歯周病菌に着目し、ヒト膵癌組織のDNA抽出産物を用いて、PCRで増幅させたところ、歯周病菌であるFusobacterium nucleatum (F. nucleatum)由来のDNA検出群は非検出群と比較して、治療前の腫瘍サイズが大きく、膵後方浸潤の割合が高いことが判明した。 ステップ【3】で、膵癌細胞株皮下移植マウスへ歯周病菌F. nucleatumを腫瘍内投与し、腫瘍径を評価したところ、他の歯周病菌投与群と比較して、F. nucleatum投与群では有意に腫瘍の増大が得られた。 ステップ【4】で、歯周病菌F. nucleatumと癌細胞の共培養の上清のサイトカインアレイによりCXCL1の上昇がみられ免疫抑制性細胞の誘導を促すこと、それにより腫瘍浸潤性T細胞の減少がみられることが示された。これは、サイトカインの薬理学的、遺伝学的な阻害実験により確認された。 以上の結果より、細胞内で共生するmicrobiomeが膵癌の進展へ影響を及ぼしていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] BIOLOGICAL EFFECTS OF INTRATUMOR PERIODONTAL PATHOGENS IN PANCREATIC CANCER2023
Author(s)
Masataka Hayashi, Naoki Ikenaga, Kohei Nakata, Haizhen Luo, PingShan Zhong, Koki Oyama, Nobuhiro Higashijima, Akihiro Kubo, Satomi Date, Chika Iwamoto, Kenoki Ohuchida, Masafumi Nakamura
Organizer
54th Annual American Pancreatic Association Meeting
Int'l Joint Research
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