2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞由来肝幹細胞様細胞を用いた代謝異常性肝疾患の治療
Project/Area Number |
21K08808
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
白水 泰昌 関西医科大学, 医学部, 講師 (20279186)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / 肝幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞移植治療は一時的な肝代謝異常の改善に寄与するものの、移植細胞が長期にわたって機能することは難しいことから、生体肝に存在し肝臓手術後においてもその働きが注目されている組織幹細胞の重要性がますます指摘されている。このことから我々はヒトiPS細胞から肝前駆細胞を分化誘導後、3つの因子(X・Y・Z)を用いて、長期継代可能な肝幹細胞様細胞を作成した。この細胞はXにより肝幹細胞マーカーの発現が維持され、YとZにより肝幹細胞マーカー発現細胞の安定した増殖が維持された。長期継代後も肝前駆細胞に特徴的なタンパク(FoxA2・HNF4a・ASGPR1・アルブミン)および細胞増殖関連タンパク(Ki67・PCNA・cyclin D・c-Myc)の発現が維持され、培地組成を変更することで速やかにより成熟した肝細胞への分化が可能で、肝細胞成熟化培地(8.3%FBSを含むLeibovitz L-15培地)に変更後は薬剤特異的にチトクロムP450の発現(RifampicinによるCYP3A4誘導) も確認された。また、CRISPR-Cas9 systemによりアルブミン遺伝子の下流にレポーター遺伝子としてsuperfolder GFPがノックインされたヒトiPS細胞の作成に成功した。このレポーター細胞を動物実験に用いることで、移植細胞の肝臓内での生着および分化度の評価がより容易になることから、この細胞を肝前駆細胞へと分化誘導後、同じく3つの因子(X・Y・Z)を用いて肝幹細胞様細胞を作成した。現在このレポーター細胞を用いた免疫不全マウスへの移植実験を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レポーター細胞の作成にやや時間を要したため少し予定より遅れ気味だが、現在この細胞を用いて移植実験を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
レポーター遺伝子を導入したiPS細胞から作成した肝幹細胞様細胞を、あらかじめ四塩化炭素によって急性肝障害を誘導した免疫不全マウスに移植し、その治療効果を検討する。また急性肝障害を誘導していない正常肝の免疫不全マウスへの細胞移植も行い、肝臓内への細胞生着およびその分化度を評価する。
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Causes of Carryover |
レポーター細胞作成に時間を要し移植実験の開始が遅れたため、動物実験関連に使用予定の予算について次年度使用額が生じた。次年度使用額は主に移植手術を行うマウスの購入に使用し、加えて手術後数ヶ月経過したマウスより摘出した肝臓の病理組織標本の作成に使用する予定である。
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