2021 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージ形質制御性生体吸収性ポリマーによるin situ大動脈瘤拡大抑制
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21K08821
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柚原 悟史 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80890508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 裕司 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378221)
緒方 藍歌 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (70718311)
宇都 甲一郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (30597034)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / マクロファージ / 形質転換 / 生体吸収性ポリマー / in situ |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈瘤は破裂すると救命が極めて困難な疾患で、治療は破裂の予防であるが、現状の外科的・内科的治療には限界があり、新たな治療法の開発が望まれている。研究代表者らは、先行研究において、抗炎症性M2マクロファージ(M2MF)を腹腔内投与することで大動脈瘤病変部位のマクロファージ形質転換を誘導することを試みたが、病変部位への集積率は多くなく、誘導効率は定かでない。また、投与したM2MFが炎症性M1マクロファージ(M1MF)に形質転換する恐れもある。全身投与ではなく、In situで瘤病変部位局所に集積したM1MFをM2MFへ形質転換させることができれば、より効率よく効果が得られる治療戦略として成り立つのではないかと考えた。近年、生体吸収性ポリマーの構造を変えてM1MFからM2MFへの形質転換を誘導制御する研究報告がある。本研究では、in situにてM1MFをM2MFへの形質転換を誘導・機能維持をするマクロファージ形質制御性生体吸収性ポリマーシートを作成し、大動脈瘤拡大を抑制する新たな手術支援材料の開発を行う。 本年度では、炎症性マクロファージが産生する一酸化窒素(NO)量の計測を行ったところ、炎症惹起させる培養条件(刺激因子と培養時間)によって産生量が異なることが判明した。評価系を確立するため、刺激因子の種類、濃度、培養時間の条件検討を行った。LPS単独ではNO産生量はnegative controlと約2倍となったが、LPSに加え、IFN-γまたはTNF-αを併用すると、4倍以上のNO産生量を示すことがわかった。この条件をもとに、ポリマー基材上のマクロファージ形質を評価することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、マクロファージ形質制御をするためのポリマー基材のファイバー径や配向などの条件検討を行う予定であったが、合成ポリマーが入手できなかったため、次の計画予定であったマクロファージ培養試験を先に行った。したがって、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した評価系を用いて、ポリマー基材上で培養したマクロファージの形質制御について調べる。また、形質制御効果が得られたポリマーシートを用い、動物実験にて大動脈瘤拡大抑制効果を明らかにする。
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Causes of Carryover |
ポリマーの作成と動物実験を計画していたが、ポリマーの入手に遅れが生じたため、ポリマー合成委託費や試験試薬など物品費の予定使用額と差が生じた。次年度では、ポリマー作成と動物実験検証を行うための費用として使用する予定である。また、発表参加を予定していた学会等がweb開催となり、旅費使用額に差が生じた。次年度においても学会参加のための旅費として使用する予定である。
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