2021 Fiscal Year Research-status Report
循環停止後ドナー移植心の浸漬保存による心筋保護効果の検討
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21K08825
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塩瀬 明 九州大学, 医学研究院, 教授 (30363336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 光 九州大学, 大学病院, 医員 (30896022)
松田 健作 九州大学, 大学病院, 医員 (40792924)
牛島 智基 九州大学, 大学病院, 助教 (70529875)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心移植 / DCD移植 / 浸漬保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓移植は治療抵抗性重症心不全に対する最も有効な治療であるが、移植待機患者数の増加に伴い、ドナー不足が世界的に大きな問題となっている。現在本邦では脳死下移植心採取(donation after brain death:DBD)が行われているが、海外の一部施設では、循環停止下移植心採取(donation after circulatory death:DCD)の報告も増加しつつあり、ドナー不足解消の糸口として期待されている。一方で、採取後の心臓の保存・輸送に関しては、虚血時間を短縮すべく持続灌流装置(Organ Care System, TransMedics)の使用がそのプロトコルに組み込まれているものの、その高額な費用、手技の複雑性といった問題は、DCD心移植が十分に普及し得ない原因の一つとなっている。本研究では、家畜ブタのDCDモデルを用いた摘出心の浸漬保存と移植後心機能の関係を検証し、虚血の影響を最小限に留める至適な心保存方法を検討することを目的とする。 2021年度はDCDモデル及び移植心採取手技の習熟に取り組んだが、移植後の体外循環離脱が困難であり、移植前後での心機能を比較するに至らなかった。ブタ独自の、また、DCD移植独自の問題点を明確にし、麻酔薬や循環作動薬の投与法、また体外循環のweaning手法等、循環動態管理を再検証していく必要がある。今後は、移植前後での心機能評価、その比較を行い、最終的にDCDモデルでの至適な浸漬保存法の確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記のように、今年度は移植後の体外循環の離脱に至らず、移植前後の心機能比較を行うことができなかった。また、適切な臓器保存液の確保に難渋し、当初予定していた保存法毎の群間比較にも至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
血行動態管理を再検証し、移植後体外循環を離脱させ、心機能の移植前後での個体内比較を行う。まずは当施設臨床モデルで用いているUW液を用いた浸漬保存での移植管理を確立し、その後保存液を変更し、保存方法ごとに群間比較を行い、病理学的評価及び生化学評価も踏まえ総合的に至適な保存法の検証を行う。
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Causes of Carryover |
(未使用が生じた理由)予定よりも消耗品の支出が少なく済んだため、次年度使用額が生じた。 (次年度使用計画)令和3年度経費の中で1,780,483円の未使用分があった。これを次年度に繰り越し令和4年度は合わせて2,480,483円を消耗品費を中心に使用して研究を実施する予定である。
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