2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel lymphatic regeneration therapy by direct reprogramming
Project/Area Number |
21K08833
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
齊藤 幸裕 旭川医科大学, 医学部, 客員准教授 (80540583)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダイレクト・リプログラム / リンパ管 / 静脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代再生医療であるダイレクト・リプログラミング(D-reP)技術を利用した、発生学的に同系列である静脈をリンパ管へと誘導するリンパ浮腫新規治療法の開発研究である。先行研究の結果からD-reP因子としてProx1とVEGFR-3が候補となることを見出した。しかしD-rePが上手く誘導できたかを確認するためのマーカーが必要である。そこでリンパ管内皮細胞(LEC)、伏在静脈内皮細胞(HSaVEC)、HUVECの3細胞培養系を用いて血管、リンパ管のマーカーとなる遺伝子発現について検索した。候補とした遺伝子は以下である;Prox1、HGF、Met、LYVE-1、Ets-1、Ets-2、VEGF-A、Sox18、 VEGFR-3、TGF-b1、FoxC2、ANGPT2、VEGF-C。これらのうちに常にLECでHSaVECとHUVECの両方より高発現していたのはProx1、VEGFR-3、ANGPT2、LYVE-1の4遺伝子のみであった。Prox-1とVEGFR-3はD-reP因子として利用することとしているため、ANGPT2とLYVE-1の発現によって確認することとした。さらにHSaVECにProx-1、VEGFR-3、Prox-1+VEGFR-3プラスミドを遺伝子導入しそれぞれの遺伝子が十分に発現するかをreal time PCRで確認した。 その結果、GFP導入群に比較してD-reP因子候補遺伝子が5日目まで十分に発現していることを確認した。さらにHSaVECにProx-1、VEGFR-3、Prox-1+VEGFR-3プラスミドを遺伝子導入し,マーカーとしたANGPT2とLYVE-1の遺伝子発現をreal time PCRで確認した。Prox-1、VEGFR-3の発現上昇を認めたが、ANGPT2とLYVE-1の発現に変化はなくHSaVECをLECへと誘導することはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の仮説と異なる結果で研究方法の変更を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究の結果からD-reP因子としてProx1とVEGFR-3を候補遺伝子と考えていたが、これら2つの遺伝子のみでは静脈内皮細胞をリンパ管内皮細胞へ誘導することが困難であることがわかった。したがってさらなる候補分子の同定が必要と思われる。これまでにリンパ管内皮細胞マーカーとして報告がある分子は概ね検討した。今後は網羅的な遺伝子発現解析を実施し新規追加候補分子の同定を進める。
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Causes of Carryover |
仮説が否定されたため、新たな研究方法を計画する必要があったため
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