2022 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞を用いたin vitro心筋モデルによる心筋再生治療の評価系の確立
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21K08842
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 真季 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70717446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 拓史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60839398)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 心筋症 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、筋芽細胞シート移植を実施した拡張型心筋症患者から治療前に採取した筋芽細胞を用いて治療前の心筋組織の状態をin vitroで再現するモデルを作製し、本治療後に顕著な改善が認められた症例(以下、Responder群)と認められなかった症例(以下、Non-responder群)を比較することで、筋芽細胞シート治療の治療応答に関連する因子を明らかにすることを目的とする。 ①対象患者の絞り込み 前年度では筋芽細胞シート治療を行った心筋症患者の治療効果において、顕著な改善が認められた群(Responder群)と認められなかった群(Non-responder群)に群分けを行った。拡張型心筋症は変異遺伝子による影響も大きく考えられるため、心筋症関連遺伝子に変異を有する患者に着目した。Responder群・Non-responder群の両群に患者が存在する変異遺伝子に絞り込みを行い、細胞を樹立する患者を選定した。 ②対象患者から採取した筋芽細胞からのiPS細胞樹立 前年度は健常人由来筋芽細胞からiPS細胞の樹立・心筋分化誘導に成功した。今年度は①で選定した各群1名の患者の筋芽細胞を培養し、前年度に確立した方法を用いてiPS細胞を樹立した。樹立したiPS細胞の未分化能を確認し、また心筋細胞に分化誘導することが可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度中に患者検体からのiPS細胞を樹立できておらず、今年度患者検体を用いた筋芽細胞の培養・筋芽細胞からのiPS細胞樹立を行ったため、患者検体を用いた心筋細胞機能解析に着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
各群の患者から樹立したiPS細胞を用いて心筋分化誘導を行い、各群の心筋細胞の収縮特性解析・張力解析などの心筋機能解析、発現変動遺伝子解析などを行い、治療前の状態を再現した心筋細胞から治療応答性に影響を及ぼす因子があるかの検討を行う。
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Causes of Carryover |
今年度に心筋細胞の機能解析に着手できなかったため、次年度の心筋細胞の機能解析に使用する。
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