2021 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of safety and efficacy of extracorporeal continuous-flow temporary ventricular assist device by biological control mechanism
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21K08874
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
大沼 健太郎 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 講師 (50527992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住倉 博仁 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (20433998)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 連続流VAD / 駆動制御 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血液ポンプの駆動制御により流路障害や血行動態の急変で生じる危険状態の自律的解消・軽減を図ることで、体外設置型連続流VADの安全性・有効性を向上することを目的としている。本年度は、これまでに構築した確率的手法による血液ポンプ制御アルゴリズムを基本に、評価関数に応じて連続流ポンプの平均回転数を変更することで流量を自律的に維持する機構の下層に、自由度の向上を意図して拍動モードの指標(拍動数、収縮期比、位相)を加えるとともに、目標到達速度の効率化を期して各指標の更新周期を評価関数に基づいて可変とするアルゴリズムの拡張を実施した。現段階のアルゴリズムを血液ポンプのコントローラに実装し、簡易な一巡閉鎖流路で試験的に駆動したところ、特定の目標に対しては妥当な挙動と到達速度の効率化が認められた。また、提案システムの基本動作と生理的反応を除外した血行力学的な特性を明確化するべく、両心循環系の連続流VAD計算機シミュレータへのアルゴリズムの実装を図った。負荷条件の変更に対して目標流量を維持する基本的アルゴリズムまで組み込み、末梢血管抵抗や血液ポンプ流入側循環抵抗のような異なる要因による流量変化に対して、実機同様に目標流を維持する挙動を示した。本研究では、制御法で解消し得る限界を明確化し、シナリオベースで協調的に医療従事者の処置を促す協調的アラーム機能を実装する予定のため、基盤となる治療シナリオの状態遷移モデル構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初計画に従い、確率的探索手法による自律的制御機構のアルゴリズムを階層的に拡張した。連続流VAD計算機シミュレータへの実装を図り動作検証中である一方、次年度以降に計画していた協調的アラーム機構のベースモデルの構築を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
PCシミュレータによる基本動作の検証と併せて、拡張したアルゴリズムを実機に実装し、左心補助を模した流路で血液ポンプの挙動と機械的信頼性への影響を検討し、最適化を図る。また、循環抵抗変化、不意の流路障害(吸い付き、軽度のキンク)が発生した際の各圧力、流量、駆動電流、制御指標等をデータロガーで同期的に記録することで、状態変化や障害をどの程度自律的に解除・軽減可能か検証する。
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Causes of Carryover |
本年度は、制御プログラム作成と基本的動作検証の実施を主とし、代表者所属機関にてモータドライバや制御PCは一部他の研究で使用しているものと共用可能であった。そのため試験システムの追加制作用のモータ、ドライバ回路の購入を要しなかったため次年度使用額を生じた。 次年度は、左心補助模擬循環試験による動作検証および機械的耐久性への影響の検討を計画しており、動物実験の実施も想定した計測系構築も必要となる。そのため要求仕様を満たす多チャンネルデータロガーの購入と試験系構築に係る費用および成果公表を積極的に実施するための費用としてあわせて計上し、更なる研究推進を図る。
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Research Products
(1 results)