2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of photoimmunotherapy via O-glycans and siRNA delivery system using iRGD nanoparticles in lung cancer
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21K08876
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 達哉 北海道大学, 大学病院, 教授 (20624232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 遊 東北大学, 薬学研究科, 講師 (00707234)
畑中 佳奈子 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (10399834)
小川 美香子 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (20344351)
樋田 泰浩 藤田医科大学, 大学病院, 教授 (30399919)
畑中 豊 北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (30589924)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん糖鎖抗原 / 光免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はMUC1-Tn高発現株である肺癌細胞株RERF-LC-KJ,H2228、乳癌細胞株T47D,ZR75-1 、低発現株であるA549細胞を用いてin vitro実験を行った。 MUC1-Tn抗体(SN101, SN102)とIR700を1:5の割合とし、精製後一抗体当たりIR700が2.10-2.25分子程度結合していることを確認した。MUC1-Tn抗体-IR700は細胞添加後すぐにはイメージングできず、24時間後が一番適切であり、細胞膜へ結合した状態ではなく、細胞内へ取り込まれた状態であった。照射時間は5分程度(45J)でブレブ形成・細胞の膨張が認められ、10分(90J) で十分であった。 さらに細胞膜のMUC1-Tn発現量評価を目的として、MUC1-Tn抗体とIR700を1:10の割合、さらにMUC1-Tn抗体とAF488を1:15の割合とし、一抗体当たりIR700が3.76分子程度、AF488が2.58分子程度結合していることを確認し、FACS解析を行った。高発現株では明らかな右方移動を認めた。また低発現株A549もわずかに右方移動を認め、MUC1-Tn抗体の細胞膜への結合を確認した。次に近赤外線90J照射でタイムラプス解析を行ったところ、ブレブ形成・細胞の膨張が認められ、特にT47D細胞では著明な細胞死を確認した。MTTアッセイでdose-dependentにcell viabilityの低下が認められた。 次にIn vivoの実験でT47D(C.B17.SCIDマウス)およびZR-75-1(NOD SCIDマウス)のXenograftモデルを用い、SN102-IR700(100μg/匹)を尾静注し、50J近赤外光による照射を行った。病理検査にて、SN102-IR700投与→照射群において照射した腫瘍内部で腫瘍細胞の消失像をみとめ、著明な治療効果を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は昨年度の遅れを取り戻し、研究は順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、先に述べた照射した皮下腫瘍の免疫染色等を行い、MUC1-Tn抗体の腫瘍内分布等の検討を進めていく。 さらに腫瘍細胞を新たに購入し、In vivo実験を継続する。長期観察群を作成し、腫瘍径の経時的観察・予後 (生存曲線)を評価する。MUC1-Tn抗体SN101とSN102の違いについてもさらに検討する。抗体の内在化の阻害(細胞膜に維持)に関して検討する。
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Causes of Carryover |
2022年4月から、本格的に実験を開始しており、今後、さらなるin vivo施行するのに際し、抗体-IR700複合体の生成、細胞培養関連、消耗品として助成金が必要である。また、in vivo実験に伴いマウスの購入代、治療効果判定としての免疫染色等の物品費が必要なため今年度予算を来年度に全て繰り越したい。
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