2022 Fiscal Year Research-status Report
The role of macrophages in chronic rejection after lung transplantation and regulatioon of macrophage activities by FROUNT inhibition
Project/Area Number |
21K08898
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 雅昭 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00623109)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆山 博和 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20725303)
寺崎 泰弘 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50332870)
寺島 裕也 東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員 (90538729)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 肺移植 / 拒絶 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
肺移植後の急性拒絶反応は、長期生命予後に影響を及ぼす慢性拒絶の危険因子となり得る。近年、本拒絶の病態解明が進み、リンパ球のみならずマクロファージによっても惹起される可能性が提唱されている。抗酒癖薬であるジスルフィラム (Disulfiram, DSF)は、マクロファージの細胞遊走シグナルを促進する細胞内制御分子 FROUNT の阻害薬である。 今回、DSF をラット肺移植後急性拒絶モデルに投与しvehicleコントロールと比較したところ、各群の A grade スコア(末梢肺での拒絶スコア)の中央値は各々、コントロール群で Grade A2.5、DSF群でGrade A2 であり、両群間で差はなかった(p=0.321)。しかし気道の拒絶を表すB grade はコントロール群で Grade B2R、DSF群でGrade B1RでありB grade は両群間で統計学的に有意差が認められた (p=0.0031)。免疫染色では、CD68 陽性マクロファージ数と CD3 陽性 T 細胞 数は、DSF群においてコントロール群よりも優位に少なかった(p=0.0001, p=0.0029)。移植肺の気管支肺胞洗浄中のマクロファージの割合はDSF群で有意に少なかった(p=0.032)。発現変動遺伝子の検出(DEG 解析)ではDSF群の炎症性サイトカイン IL-6 の遺伝子発現低下やマクロファージ関連遺伝子(CD86, CD163)の発現低下、関連ケモカイン(CCL2, CCL7)の発現低下がみられ、抗炎症サイトカインIL-10の遺伝子発現の上昇傾向を認めた。 以上より、本研究ではラット肺移植モデルにおいて、DSF投与によるマクロファージの遊走抑制とリンパ球性細気管支炎(気管支の拒絶)の軽減が得られることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メインの実験を終了し、現在、論文を投稿準備中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
論文をまとめpublicationを行う予定である。必要に応じて追加実験を検討する。
|
Causes of Carryover |
物品購入費の予定額と実際の購入額との誤差のため生じた。 次年度使用予定。
|