2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of diagnostic biomarker of malignant pleural mesothelioma using serum exosome
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21K08903
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
津谷 康大 近畿大学, 医学部, 教授 (10534985)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / マイクロRNA / エクソソーム / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性胸膜中皮腫に特異的なsmall RNA発現パターンの特定:新規バイオマーカー開発のために2023年3月までに悪性胸膜中皮腫患者53名、健常人47名、肺癌患者53名の治療前血清を用いてsmall RNAを精製した。悪性胸膜中皮腫患者と健常人の患者背景を可能な限り揃えるため、健常人サンプルの選択には年齢、性別を加味し調整を行なった。悪性胸膜中皮腫の組織型は上皮型35検体、肉腫型10検体、二相型7検体であった。 精製したsmallRNAについてクオリティチェックを行なった後に、悪性胸膜中皮腫患者53名と健常人47名small RNAの次世代シークエンサーによるシークエンスを施行した。 この解析では既知のmicroRNAのみならず、未知のマイクロRNAやtransfer RNAの断片、成熟マイクロRNA(miR)など以外に1塩基の付加や欠失を認めるisomiRも同定可能であることが特徴である。 現時点での問題点は、サンプル間でリード数や遺伝子数にについて均一性が乏しいこと、赤血球由来の非特異的な遺伝子が候補の遺伝子として検出されていること、isomiRの解析方法に確立したものが存在しないことなどである。 特異的発現パターンは特定のsmall RNAのみならず、複数のsmall RNAの組み合わせパターンであることも想定されるため、その解析には一部人工知能(AI)を用いて解析中である。 また次世代シークエンサーで同定されたsmall RNAの発現はRT-PCR法でも確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者の血清サンプルからsmall RNAのライブラリー作成、次世代シークエンスまでの流れが順調であり、これまでに100サンプルで次世代シークエンスの結果が得られたことは予定通りである。またこれらのシークエンス結果をAIを用いて解析中であり、今後悪性胸膜中皮腫の診断に特異的な血清バイオマーカーの候補が同定されることが期待されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き成熟miR、isomiRを含むマイクロRNAを対象とした解析をそれぞれ進めていく予定である。AIを用いた解析を一部データ解析会社に委託することにより解析が順調に進むことが期待される。また次世代シークエンサーで同定されたsmall RNAの発現はRT-PCR法でも確認する予定である。
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Causes of Carryover |
実験消耗品の購入において、COVID-19の影響で納期が遅れたものが存在したため、物品費を次年度に繰越し、納入可能となり次第、購入、実験に使用する予定である。
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