2021 Fiscal Year Research-status Report
自家蛍光顕微鏡画像を用いた肺腺癌浸潤AI予測モデル構築と術中診断への応用
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21K08905
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
滝沢 宏光 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90332816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 和也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10263815)
宮本 直輝 徳島大学, 病院, 医員 (00865305)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺腺癌 / 浸潤診断 / 縮小手術 / 自家蛍光 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
CT画像ですりガラス陰影を伴う肺腺癌症例の切除標本20例分を選定し、ホルマリン固定パラフィン包埋標本から切片を作成した。デジタルスライドスキャナー(BZ-X800)を用い、未染色のスライド全体の自家蛍光顕微鏡画像(100倍)を取得した後に、同一スライドに対してEVG染色を行った上で標本全体の画像(100倍)を取得した。病理医に指導を受けた外科医2名がディスカッションを行いながら腺癌の浸潤範囲を同定し、その範囲をデジタル画像内にトレースした。そのトレースした範囲を複数の病理医に確認してもらったところ、評価者によって浸潤範囲の判断にかなりズレがあることが明らかとなった。この結果を受けて、EVG染色スライドの画像において①明らかな浸潤部位、②明らかな非浸潤部位、③浸潤・非浸潤同定困難部位、④血管、気管支を含む正常構造部位、に分類し、①、②および③の部分に対応した未染色のスライドの自家蛍光顕微鏡画像を機械学習アルゴリズムに学習データとしてインプットし、浸潤の予測を行うモデルを構築する方針とした。現在、症例数を増やして学習データの作成作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究においては機械学習アルゴリズムに学習データとしてインプットするデータの精度が、研究成果を左右すると予想される。このため、学習データ作成前のデータ作成クライテリア決定に時間をかける必要があった。肺腺癌の浸潤範囲を再現性をもって特定することは病理医でも難しい作業であるため、浸潤および非浸潤が明らかな部位のみをデータとして抽出することとした。その結果、1症例から得られるデータが少なくなり、多くの症例の標本評価を行う必要が生じたため時間を要する結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も機械学習アルゴリズムに学習データとしてインプットする画像データを増やす作業を継続する。肺癌標本の未染色およびEVG染色スライドの2パターンによる画像取得にかなりの時間を要するため、学内の共用機器で効率よく画像データを収集ことが難しいという問題がある。このためデジタルスライドスキャナー(BZ-X800)を教室内でレンタル使用することで、画像データ収集の負担を軽減する。またEVG染色の評価にも時間を要するため、2名の評価者が同席して浸潤範囲を決定するプロセスを、2名が順次評価する方法に変更する。ある程度データが集積したところで機械学習アルゴリズムを構築し、肺腺癌浸潤範囲の診断精度の検証結果によっては入力データを追加し再検討する。
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Causes of Carryover |
教室内で行われている他の研究においてデジタルスライドスキャナー(BZ-X800)をレンタル使用している期間があり、その期間内に本研究の画像取得も行うことができたため費用(施設使用料等)を節約することができ、次年度使用額が生じた。引き続き多くの症例のサンプルを用いて画像取得や染色を行う必要があるため、翌年度分として請求した研究費と合わせてその費用に使用する予定である。
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